【フレックス 役員/店長 熊坂泉氏】女性従業員の自主性育む

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”楽天SOY CSR賞を受賞”

 ギフト向けパジャマECを運営するフレックス(本社神奈川県、熊坂雅之社長)は1月、楽天ショップオブザイヤー2015「CSR賞」を受賞した。受賞理由となった福祉施設への製造委託は、同社にとっても小ロットでの発注が可能になるメリットなどを生んでいる。母親を中心とした16人の従業員にとって働きやすい仕組み作りにも取り組んでいる。そのことが、従業員の「自主的にスケジュールを決めて、限られた時間で効率的に働く」という意識につながっている。「CSRは会社のためにもなる」と話す熊坂泉店長に、EC企業だからこそできるCSRの仕組み作りについて話を聞いた。


■製造委託は双方にメリット


 ーー福祉施設に製造を委託する理由は。

 小ロットでも価格を抑えて発注できる点がメリットとなっています。当社では、「パジャマ袋」などギフト用包装材の一部の製造を、13年12月から福祉施設に委託しています。保管用にも使える「パジャマ袋」は、サービスとして無料で提供しているものです。大きなロットで発注すると在庫のリスクにつながりますし、パジャマのギフトは12月と春先に注文が偏るという事情もあります。そのため、小ロットでも低価格で対応してくれる福祉施設は、当社にとってもありがたい存在です。パジャマ袋の他にも、母の日に使用するカーネーションの飾り等も福祉施設に作ってもらっています。


 ーー福祉施設に製造を委託する上で気を付けていることはありますか。

 福祉施設は、製造に必要な設備を持ちながら企画力がありません。公的な支援によって、設備は良いものがそろっています。しかしその設備をビジネスに結び付けられず、継続した仕事が得られないことが福祉施設の課題となっています。
 当社では、福祉施設の障害者に仕事を教えるだけでなく、製品への反響をフィードバックするよう心がけています。自分の仕事が他人の役に立っていることが仕事を頑張る励みになります。CSR賞の受賞も、彼らと喜びを共有することができました。
 その他にも、中学生に職業体験ができる機会を提供したり、高校生に商品を企画してもらったりする取り組みも行っています。これらの活動すべてが今回のCSR賞につながったと考えています。



■女性の働きやすさが会社の力に


 ーー母親が働きやすい環境づくりにも力を入れていると聞きます。

 女性が働きやすい環境づくりもCSRの一環だと考えています。当社の従業員は16人、すべて女性です。10年以上勤めている女性も多く、彼女たちのスキルが会社の力になっています。
 当社では正社員も時給制で雇用しています。「職場を途中で抜けやすくなれば」という従業員の希望に応えました。1日に最低4時間働くことを条件に、自分の仕事が終われば自由に職場を出入りできます。子どもの送り迎え等、各家庭のサイクルに合わせて従業員は働くことができます。仕事と仕事の間に数時間、友達とランチに行くことも自由です。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月11日・18日 合併号で)

熊坂泉氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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