【ディノス・セシール 経営企画本部 石川森生CECO】カタログ事業の優れた資源をウェブへ

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石川森生氏

石川森生氏

 ディノス・セシールは今年2月、石川森生氏を経営企画本部CECO(チーフ・Eコマース・オフィサー)として招いた。石川氏は、菓子の包装資材などの通販を展開するタイセイのウェブ事業運営会社TUKURU(ツクル、本社東京都、佐藤成一社長)で、14年1月から16年1月まで社長を務めた人物。石川CECOに入社後の状況や今後の展望について話を聞いた。

——ディノス・セシールのCECOに就任した経緯を教えてください。
 前社の在籍時から「自分が持っているECノウハウはいつまで有効だろうか」ということを考えるようになりました。そんな折に、これまで経験したことのない、総合通販会社のディノス・セシールから声をかけて頂き、入社を決めたというところです。今年の2月1日付で、これまで共に仕事をしてきた5人のメンバーと共にディノス・セシールに入社しました。

——石川CECOはどういった役割を担っていくのでしょうか。
 当社はこれまで、カタログ事業を起点とする形でEC事業を展開してきました。受注チャネルの一つとしてECがあったということです。
 客観的に見ても、当社は国内トップクラスのシステムを持っています。そういった環境の中で、ECサイトの「使い方を変えていく」「別のサービスの形をECで考えていく」ということを実践していきます。つまり、カタログ事業を起点としたEC事業ではなく、ウェブを起点としたECサイトを作っていくということです。
 既存のカタログ事業とは異なる文脈での、ウェブを起点としたECサイトを作るには、どういう機能やコンテンツが必要なのかを考えていきます。今までとは違う文脈でECを強化していくというのがミッションだと考えています。

——ディノス・セシールのEC事業の置かれている環境について、どのように捉えていますか。
 マーケティング的な面をいうとドメインの強固さが圧倒的です。「ディノス」「セシール」のサイトというだけで、大きなパワーを持つことができます。例えば、SEO対策一つとっても新規でECサイトを立ち上げるのとは全く違うと感じています。
 カタログ事業というのは、コストが先に発生しますし、カタログには有効期限があります。決まった期間の中でコストを回収する必要があるのです。カタログには製本という制約もありますので、掲載できる商品数も限られてきます。PL(損益計算書)的な発想が求められるのがカタログなのだと、当社に入社して実感しました。
 一方で、ウェブの場合は、期間や掲載数といった制約が緩く、資産を残せるという意味では、BS(貸借対照表)的な発想が求められると思います。

——御社はテレビ通販も実施しています。
 テレビも、ビジネスモデルとしてはカタログに近いと思います。テレビ通販に関しては、ウェブで補完してあげるのが重要なのだと考えています。テレビ通販は、新規獲得にものすごいパワーを持っています。一方で、リピーターの獲得が困難な部分があります。テレビを入り口にしてお客さまを囲い込んでいくには、ウェブをうまく活用していくことが必要だと感じます。テレビ通販からウェブへという流れがうまく整えば、会社として大きな財産になるのではないでしょうか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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