「株式上場も視野に入れている」と話すのはハッピースマイル(本社埼玉県)の佐藤堅一代表取締役社長兼CEOだ。写真販売プラットフォームサービス「みんなのおもいで.com」を展開する同社は、サービス開始から10周年を迎えた。プラットフォーム上にアップロードされた写真は1億7500万枚を突破している。このサービスは保育現場の課題解決から始まったサービスだが、今ではスポーツやエンターテインメント分野にも広がる。最大の武器は「日常」に特化した写真撮影にあるという。佐藤社長に話を聞いた。
■他分野に拡大
─事業内容を聞きたい。
当社は写真販売だけでなく、保管もできるプラットフォームサービス「みんなのおもいで.com」を展開している。サービス開始は14年4月。今年で10周年を迎えた。
当初は保育園向けなどから事業を展開してきた。今は活用の幅が広がって、プロバスケットボールやボディービルなどのスポーツ分野、劇団やアイドルといったエンターテインメント分野でも利用されるようになった。
他にも、各市町村の自治会や高齢者福祉施設などにも拡大し、24年3月末時点で当社のサービスを利用する登録団体数は7000を超えた。
業績も好調に推移し、サービス開始から現在まで毎期110~120%で成長している。
─サービスの仕組みは。
「みんなのおもいで.com」は写真の閲覧、販売だけでなく保管までできるプラットフォームとなっている。
利用対象者は企業や団体で、写真を購入するのはユーザーとなる。スキームとしてはBtoBtoC。システムなどの利用料はかからず、写真の現像や購入の部分は当社が担う。写真購入時の販売手数料を当社がもらう仕組みで、その手数料が収益源となっている。今は保有する5台の現像機が24時間フル稼働している状況だ。
■保育施設の訪問が契機
─保育から始めた理由は。
私はもともと陸上自衛隊に勤務していた。その後、写真の業界に入り、その時に訪れた保育施設での出来事が契機となっている。
保育園などで行われる行事やイベントの際の写真撮影は、園の先生たちが自ら行って保護者に販売をしていた。この作業が先生たちにとっては大きな負担だ。施設によっては写真を掲載できる壁面のキャパシティーは限られ、販売する写真を厳選しないといけなかった。選択を間違えると保護者からクレームをつけられることさえあった。
さらに、保育園としても現像したものは売り切らないと収支的にはマイナスになってしまう。残ってしまった写真は最終的に処分せざるを得ない。
この循環を見た時に、これらのフローはネットできちんと保管や販売などができるのではないかと考えた。これがビジネスを始めた大きなきっかけだ。
─競合はあるか。
当社と似たサービスは数年前から乱立している。
ただ、
(続きは、「日本ネット経済新聞」6月6日号で)
【ハッピースマイル 代表取締役社長兼CEO 佐藤堅一氏】 <写真販売プラットフォームサービス「みんなのおもいで.com」を展開> /「日常」に特化した写真が最大の武器に(2024年6月6日号)
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