【Eコマース業界地図 「ECモール&プラットフォーム編」】 〈インタビュー〉KDDIコマースフォワード 八津川博史社長/auの顧客や店舗を生かす

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 ECモール「Wowma!(ワウマ)」を運営するKDDIコマースフォワード(KCF、本社東京都、八津川博史社長)は今期(2019年3月期)、auの利用者や店舗を活用した「ワウマ」の認知向上やプロモーションを展開している。今期の取り組みや「ワウマ」の現状、楽天との事業構想などを八津川社長に聞いた。


■通信料を還元
 ─18年度、重点的に取り組んできたことは。
 われわれの強みであるKDDIグループの資産を活用してきたことだ。資産の最たるものがauブランドであり、auのお客さまや2500店のショップを活用してきた。11月には「三太郎の日」というキャンペーンを実施した。3、13、23の3の付く日に300円割引のクーポンを進呈したほか、「auスマートパスプレミアム」の会員には500円のクーポンを配布した。
 12月には全国に2500店あるauのショップで、「ワウマ」の商品などを紹介したフリーペーパーを配布した。併せてauへの新規加入や機種変更のお客さまに対し、ショップの店員さんが「ワウマ」の案内や登録を行っている。auの店頭で「ワウマ」を知ってもらい、使ってもらえるきっかけを作っている。
 ─KDDIグループの資産を積極的に活用することになったきっかけは。
 KDDIは4月1日付で高橋誠社長が就任したが、戦略方針として通信とライフデザインの融合を発信している。連携ではなく融合という言葉の強さだ。通信の基盤である店頭と、ライフデザインの主力サービスである金融とコマースを一緒に進めて、ご利用いただく流れとなっている。
 その一環として1月中旬以降、「ワウマ」で買い物いただいたときの料金によって、最大10%をauの通信料金に還元するサービスを開始する。買い物金額の最大10%を、通信料金から割り引くものだ。こういったサービスは、KDDIグループならではの、かなり踏み込んだ打ち手だと思う。


■ルクサと合併
 ─「ワウマ」の現状についてうかがいたい。12月時点の出店者数は。
 1万5000店くらいになっている。前年比較で2倍強の出店数に伸びており、商品数も4000万品目を超えている。MDの部分が伸びて以降、11~12月にプロモーションを実施しており、同期間の成長率は前年比150%くらいで推移している。今期は「ワウマ」に出店しているショップさまの売り上げを伸ばすため、50個くらいの機能を投下した。特にショップさまのマイページに当たる管理システム「ワウマネージャー」をすべて刷新、増強している。
 ─12月にKCFとルクサを4月1日付で合併すると発表した。合併する目的は。
 KCFもルクサもコマース事業を手掛けている。「ワウマ」を運営するKCFはモノ軸で、ルクサはコト系の商品が伸びている。出自上、別会社で運営しているが、一つの会社にした方が、スピードも上がるし、お客さまへ提供するプロダクトやサービスも向上すると判断した。合併後は私が代表に就任する予定だ。合併後の社名については現在、社内で絶賛議論中だ(笑)。


■物流利用で準備
 ─次年度となる4月以降、「ワウマ」で計画していることは。
 現在詳細を詰めているが、auを利用されているお客さまにとって、「ワウマ」を利用いただくのが常にベストだという状態を確立していきたい。そういった意味で、通信とライフデザインの融合は分かりやすいポイントだと思う。さらにルクサと密になることによって、社内で意思決定を行い、ルクサと「ワウマ」のサービス連携を絡めていく。
 ─KDDIと楽天との事業推進による進捗状況は。
 両社のアセットを相互利用して、手を握るところは一緒に進めながら競争する部分は争うという?事業協争?を進めている。物流については競うよりも利用させていただき、ショップさまのコストパフォーマンスに生かせるのであれば手を握るということで、4月からの開始に向けて準備している。

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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