アマゾンジャパンは18年、マーケットプレイス出品者が追加手続きなく海外展開できる仕組みの提供を開始した。19年はFBA手数料を値下げするなど、出品者のために投資を拡大しているという。同社のセラーサービス事業本部のジヤ・ゲンチェレン事業本部長に、アマゾンマーケットプレイスに出品することにより得られる、事業者のメリットについて聞いた。
■サービスの有効活用を
─アマゾンマーケットプレイスに出品するメリットについて聞きたい。
アマゾンマーケットプレイスに出品する際に、特別な専門知識は必要ない。例えば、販売事業者は、FBA(フルフィルメント・バイ・Amazon、アマゾンの商品発送代行サービス)を利用すれば、大企業か中小企業かなど規模を問わず、アマゾンでビジネスを展開できる。
販売事業者は、自社のビジネスの状況や経営方針に応じて、アマゾンが提供するさまざまなサービスを利用できる。例えば、FBAを利用しなくても商品をプライム対象として販売できる「マケプレプライム」もその一つ。アマゾンの商品検索に表示する「スポンサープロダクト広告」というサービスもある。
法人や個人事業主を対象とする商品を販売する事業者は、法人の購買専用サイト「Amazonビジネス」での販売機会も利用できる。アマゾンでビジネスを成長させるために、有効なサービスだろう。
18年7月には、販売事業者が追加手続きなく海外の消費者に商品を販売できる「FBA海外配送プログラム」をスタートさせた。このサービスでは、販売事業者が、日本のアマゾンのフルフィルメントセンターに対象商品を納品することで、世界67の国と地域への販売が可能になる。販売事業者の顧客基盤の強化に役立つはずだ。
アマゾンでは、サプライチェーンの革新に投資することにより、FBAサービスの手数料の上昇を抑えるよう継続的に取り組んでいる。これらに継続的な投資を行いつつ、19年には手数料変更を行う。特に在庫保管手数料の大幅な引き下げは出品事業者にとってメリットが大きいだろう。
■不正には厳正に対処
─不正レビューの横行などに対する対策はどうか。
アマゾンとしては、ガイドラインに反するレビューを削除するだけでなく、アカウントの一時停止や閉鎖なども行っている。法的措置を講じることもある。不正行為があれば、レビュワーも含め、厳正な措置を講じるようにしている。お客さまが楽しく買い物ができ、事業者が安心して出品できるよう、環境を整えていく。
【Eコマース業界地図 「ECモール&プラットフォーム編」】 〈インタビュー〉アマゾンジャパン セラーサービス事業本部 ジヤ・ゲンチェレン事業本部長/19年はFBA手数料値下げも
関連リンク・サイト
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。