ID決済は楽天が提供する「楽天ペイ」と、アマゾンジャパンが提供する「アマゾンペイ」が2大サービスとして市場をけん引している。両サービスは顧客基盤が異なるため、EC事業者は自社の商材や顧客層に合ったサービスを導入する傾向にある。LINEもID決済に参入する方針を発表している。ただ、まだ利用者は限定的であり、ECサイトで導入が進むかは不透明だ。
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楽天が提供する自社ECサイト向けID決済サービス「楽天ペイ(オンライン決済)」の導入企業が拡大している。連携サービスを拡充し、導入の負担を軽減。楽天市場のセール連動企画やポイントによる販促施策などを提案し、新規顧客やリピート顧客の獲得まで支援できる点が魅力だという。
「楽天ペイ(オンライン決済)」を導入すると、ユーザーはセキュリティーの不安なく、簡単に決済手続きを完了できるため、多くのECサイトでは導入後、新規ユーザーの転換率が向上している。
楽天会員の登録情報を基に、導入サイトで会員登録できる「楽天ID Connectオプション」も提供しており、会員獲得率の向上にも効果があるという。
「楽天スーパーSALE(セール)」や「楽天スーパーDEAL(ディール)」において楽天ペイ導入店舗の販促企画を実施したり、ポイントをフックにした再来訪を促す施策を提案している。
楽天ペイで決済したユーザー向けに、期間限定でポイント付与率を2倍にしたところ、決済件数が2倍に増加した事例もある。
導入ハードルの低さも強みとなっている。主要な決済代行会社やカートASP、パッケージベンダーとはすでに連携しており、EC事業者は手軽に導入できる。
18年春からは、楽天市場の店舗を支援するECコンサルタントが楽天ペイの導入店舗も支援している。個別のサポートを受けることで、より「楽天ペイ(オンライン決済)」の導入メリットを発揮できるようになった。
【Eコマース業界地図 「決済編」】〈ID決済注目サービス〉楽天〈「楽天ペイ」〉/集客拡大まで支援/サービス連携拡充で導入容易に
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