メーキャップコスメブランド「DAZZSHOP(ダズショップ)」を展開するエステティクス(本社東京都、齊藤慶和社長)は、メールを極力使わない顧客コミュニケーションの体系を構築している。16年ごろからメールが届かない事態が頻発し、その対策としてチャットやLINEを通し、顧客と確実に連絡が取れる仕組みを作った。
「ダズショップ」は渋谷西武など百貨店に出店しているコスメブランド。百貨店で初めてカラーコンタクトレンズ(カラコン)をメイクアイテムとして販売したり、ジェルタイプのアイシャドーを開発するなど、斬新な商品提案で顧客を獲得している。
15年9月にブランドを立ち上げた当初からECサイトを運営しており、現在は全体の約4割をECで売り上げている。ECが重要な販売チャネルとなっている。その中で運営サイト内においてメールのトラブルが生じた。
「メールが届いていないことで、コンビニ決済の入金率が下がったことから気付いた」(マーケティングプランナー・高橋秀典氏)と振り返る。
携帯キャリアの規制が強化されたことなどの理由で、メールが届かない顧客が増加していたのだ。この事態に対応するため、ECサイトのマイページ内にチャットボックスを設置した。さらにLINE@を活用し、顧客との連絡手段を拡充した。
「メールでの問い合わせ対応や、注文確認の連絡などをやめた。すべての連絡手段をチャットボックスに集約し、未確認のユーザーにはLINEでリマインドしている。こうした取り組みで最大60%くらいまで下がったコンビニ決済の入金率は80%以上に回復した」(同)と話す。
LINE配信はCRMシステム「うちでのこづち」から実施している。同社は基幹データベースで顧客のLINEIDを管理しており、「うちでのこづち」に直接IDを打ち込み、対象ユーザーにメッセージを送信できるフローを構築した。
さらに、スタークスが提供するLINEによるカスタマーサポートツール「CSクラウド」も導入している。顧客対応においてもLINEを活用している。
【Eコマース業界地図 「CRM編」】 〈CASESTUDY〉エステティクス/脱メールのCRM構築/連絡手段はチャットとLINE
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