【Eコマース業界地図〈「ECモール&プラットフォーム編」〉】 〈eBay〉eBay Japan 佐藤丈彦社長/為替、関税の逆風負けず、全分野で売上増

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 eBay Japan(イーベイ・ジャパン、本社東京都、佐藤丈彦社長)は、グローバルECプラットフォーム「eBay(イーベイ)」における日本企業の販売を支援している。為替や関税などの逆風に負けず、日本企業の「eBay」での売り上げは伸ばした。佐藤社長に日本企業の販売状況や支援サービスの強化策について聞いた。

 ─19年の販売状況は。
 19年は18年と円ドルの為替を比較すると、輸出としては良くない状況だった。12月で見ても19年が113円程度だったが、18年は108円だった。価格でいうと4~5%ほど高く見えてしまう。19年5月ごろから円高に振れてきたので心配していたが、結果的にはほぼすべてのカテゴリーで売り上げが伸びた。
 米国向けでは円高以外にもう一つ懸念があった。米国でインターネットセールスタックスと呼ばれる越境ECにかかる関税が、販売者ではなくマーケットプレイスが徴収しなくてはいけなくなってきた。州によって異なるのだが、1月から順次始まり、イーベイの本社があるカルフォルニア州では10月から7%以上のタックスがかかるようになった。為替とタックスの影響で場合によっては、10%以上価格が高く見えることがある。
 しかし、リユースのようなここでしか買えない商品は全く影響を受けなかった。売り上げの柱となっているリユースに加え、新しい領域も成長している。


■自動翻訳ツール提供

 ─セラーに販売を伸ばしてもらうために強化したポイントは。
 これまでは販売を始めたものの思うように売れず、退店されるセラーもいた。コストをかけて販売してもらうので、効率的に売れるようにサポート環境を整えている。
 19年に国内のセラー向けのポータルサイトをリニューアルした。中国の独身の日や、北米のサンクスギブン、サイバーウィークなど、グローバルのイベントを一覧で見えるカレンダーを掲載している。
 セラー向けポータルサイトでは、どんな商品がいくらで売れているのかなど販売データを紹介している。分析ツールも提供しているのだが、セラーが調べるのは時間や手間がかかる。こちらから情報発信を強化することで販売の参考にしていただけるように取り組んでいる。
 19年11月にローンチした自動翻訳ツールが、一番大きな支援サービスと言えるかもしれない。これまでは翻訳をサポートするパートナーを紹介していたが、CSVにて一括で精度の高い翻訳ができるため、販売の効率を高められる。一部限定で提供を開始し、20年はより多くのセラーに使っていただけるようにする。

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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