【２０１９年　ＥＣ業界重大ニュース】　ＬＩＮＥと経営統合／ＺＨＤ、基本合意書を締結

　ヤフー（本社東京都、川邊健太郎社長）を傘下に持つＺホールディングス（ＺＨＤ）は１１月１８日、ＬＩＮＥと経営統合に関する基本合意書を締結した。経営統合の完了は２０２０年１０月をめどとしている。経営統合によりヤフーとＬＩＮＥは、それぞれ強みを掛け合わせたシナジー創出を見込む。
　ＬＩＮＥはアプリ内で複数サービスを展開する「スーパーアプリ」の完成を目指しており、コマース関連では「ＬＩＮＥショッピング」の運営を手掛けている。
　経営統合会見の席上でヤフーの川邊社長は「ＬＩＮＥはＥコマースにそれほど力を入れていないが、ヤフーが提供できていないメッセンジャーサービスを持っている。それぞれの弱点を補うことのできるシナジーがある」との見解を示した。
　経営統合の目的のひとつには、海外の巨大ＩＴプラットフォーマーに対抗する狙いもある。ＬＩＮＥの出澤剛社長は「インターネット産業は優秀な人材、お金、データが強いところに集約してしまうビジネス構造。強いところはもっと強くなり差が広がってしまう」と危機感を表明した。
　ヤフーの川邊社長は「日本の課題に思い切ってフォーカスした他社にはできないサービスを提供することで、海外プラットフォーマーとの差別化につながるのではないか」と説明した。