19年は、楽天、アマゾンなどを含む、いわゆるデジタル・プラットフォーマー(DP)を規制する動きが、行政各所で進んだ。首相官邸や公正取引委員会など、各省庁を横断する形で、取引実態の調査や、専門家による会議が開催された。DPを規制する新法「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案(仮称)」は20年の通常国会に閣法として提出される予定。着々とDP包囲網づくりが進んでいる。
公取委は1月、DPの取引慣行に関する実態調査を開始。10月末に、調査結果の取りまとめを公開した。取りまとめでは、「DPが同意なく規約を変更して手数料を高く設定する」や「検索アルゴリズムを恣意(しい)的に操作する」など、独禁法違反に当たるDPの事例を示した。
10月には、首相官邸が主導する形でデジタル市場競争本部を設立。同本部のワーキンググループでは、「DPの取引透明化法案(仮称)」の策定に向け、DP各社に対するヒアリングや、具体的な論点に関する議論が続けられている。
11月末には、個人情報保護委員会が、20年通常国会提出予定の個人情報保護法の改正案の骨子案を公表。DPの個人データの利活用の規制に絡む、クッキー情報の活用を一部規制する内容の改正点を盛り込んだ。多くのDPが保持する個人の「会員登録情報」などと、クッキー情報を結び付けることが明らかな場合、情報の利活用を規制する内容となっている。
【2019年 EC業界重大ニュース】 来年国会に新法提出/進むプラットフォーマー規制
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