【2019年 EC業界重大ニュース】 アパレル大手にシステム障害/リプレイス中断、旧システムに切り戻し

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 アパレル大手のECシステムのリプレイス(移行)時に相次いで問題が発生した。
 アダストリアは8月1日、グループの24ブランドを統合したECサイト「ドットエスティ」をリニューアルオープンした。しかし、システムの不具合により、同8日にはサイトを休止していた。
 ECサイトの安定稼働や早期のサービス再開を優先して旧システムへの切り戻しを行い、9月12日にECサイトを再開。当初、サイトリニューアルで実現しようとしていたオムニチャネルサービスは、来期(21年2月期)以降への延期を決めた。
 ユナイテッドアローズ(UA)は9月12日、ECサイトを刷新するため、サービスを一時的に停止していた。10月にはリニューアルしたサイトを開設する計画だったが、システム開発に遅延が生じ、サービスを再開できていなかった。
 「決済手段が増えたり、多岐にわたるシステムやアプリと連携したりするため、システム構造が複雑化している。システム開発に遅延が生じ、慎重を期すためにリニューアルオープンを遅らせる」(IR広報部)と説明した。
 もともと、システムを委託していたアラタナに再委託し、11月27日にECサイトの運営を再開した。
 アパレル大手企業のEC責任者は、「アダストリアとUAのシステム障害が発生したことで、ブランド各社は安全性を重視したシステム戦略にかじを切った。機能やサービスのバージョンアップは今後、緩やかに進む形になりそうだ」と予想している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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