ヤフー(現Zホールディングス)とアスクルの経営闘争が明るみになったのは今年7月だった。ヤフーは7月17日、アスクルの定時株主総会において、アスクルの岩田彰一郎社長の再任に反対の議決権を行使すると発表した。そこから8月2日の定時株主総会まで激しい戦いが繰り広げられた。
7月18日にはアスクルの社内取締役が記者会見を行い、ヤフーの手法を批判。その後、プレスリリースでお互いの見解をぶつけ合ったが、ヤフーと第2位株主のプラスが7月24日、アスクルの岩田社長と社外取締役3人の再任に反対する議決権をネット経由で行使し、岩田社長や社外取締役の退任は決定的となった。
アスクルは定時株主総会後、取締役会を開催し、BtoCカンパニーCOOを務めていた吉岡晃氏を代表取締役社長CEOに選任した。新体制後、ヤフーが経営権を掌握するような目立った動きは見られない。
ヤフーはその後、Zホールディングスと改称。ZOZOの子会社化を完了し、LINEとの経営統合を発表した。グループのサービス連携や統合を進める中で、アスクルとの資本関係を改めて見直す可能性は高いだろう。
【2019年 EC業界重大ニュース】 ヤフーとアスクルが経営闘争/岩田社長退任、新体制で動きなし
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