ソフトバンクは産業のデジタル化に取り組む中、物流業界の変革にも注力している。配送領域において手を組んだのが、荷主と軽貨物ドライバーのマッチングプラットフォームを運営するCBcloud(シービークラウド、本社東京都、松本隆一CEO)だ。両社の知見を持ち寄り、ラストワンマイルの担い手であるドライバーの環境改善や物流全体の最適化に挑んでいる。
CBcloudが運営する荷主と軽貨物ドライバーをマッチングする「PickGo(ピックゴー)」は、全国で1万2000人以上の軽貨物ドライバーが登録する業界最大級のサービス。
「私自身がドライバー経験を持っており、現場目線でサービスを構築した。業界の多重構造を払拭(ふっしょく)し、ドライバーが直接、仕事を選べるようにしている。早い者勝ちではなく、評価の高いドライバーが仕事を得られる仕組みも特徴だ」(CBcloud・松本CEO)と話す。
ソフトバンクは出資しているだけでなく、業務提携を締結した。
「パートナーとしてCBcloudさんの事業を最短で大きくするために何ができるかを考えている。ドライバーはモバイル端末でサービスを利用する。効果的なサービス運用やモバイル端末の提供などの支援は、分かりやすい協業のイメージだと思う」(ソフトバンク デジタルトランスフォーメーション本部第一ビジネスエンジニアリング統括部・河本亮統括部長)と話す。
CBcloudは「ソフトバンクさんとはドライバーの経営課題の解決についても一緒に取り組みたい」(松本CEO)と話す。
すでにソフトバンクとイオン九州の実証実験にCBcloudも参画し、ネットスーパーの夜間配送を支援している。今後、日中帯の配送や首都圏を含めたエリア拡大も視野に入れている。
ソフトバンクは今後、ラストワンマイルだけでなく、物流全体をデジタル化できるか挑戦し続けるという。
「荷主から顧客にモノが渡るまでの過程は今後、大きく変化していくと思う。多様化する受け取り方までサービスを提供したい」(河本統括部長)と話す。
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