複数店舗の受注・在庫管理や商品登録を一括で行うことができる「一元管理システム」は、多店舗展開するEC企業の成長に欠かせない仕組みとなっている。EC業界のウェブメディア「eコマースコンバージョンラボ(eccLab)」と共同で主要サービスをマップにまとめた。今回は「一元管理システム」の領域として顧客管理を追加。さらに在庫最適化を支援する「在庫分析」や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など業務を自動化する「自動化」カテゴリーも追加している。「一元管理システム」の有力サービスは記事で紹介している。(関連記事を10~11面に掲載)
一元管理システムは、ECモールのサービス展開に臨機応変に対応することが求められる。近年、各社の課題となっているのは、ECモールが積極的に展開する物流サービスへの対応だ。
アマゾンが物流サービスでは先行しているが、楽天が提供する「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」も積極的に導入企業を獲得している。ファッションEC系の「ゾゾタウン」や「ショップリスト」も物流サービスを積極化している。
■「BOSS」の脅威
楽天は「RSL」の利用を促進するために、子会社のハングリードが開発している一元管理システム「BOSS」の提供を促進する構えだ。一元管理システムにとって「BOSS」は、「RSL」とのハブにもなるようだが、競合サービスにもなる存在だ。
「BOSS」は「楽天市場」の受注分の手数料を無償化するサービスを発表しており、一元管理システムにとっては脅威だ。
ECモール各社が販売から物流まで囲い込みを図る中、その商流の狭間で機能する一元管理システムはモールの動向に左右されやすい。モール各社は確実に内向きに傾斜している。その傾向がいつまで続くかは分からない。
EC事業者はモールの動向を注視しつつ、販売チャネル戦略を練り、最適なシステムを選択すべきだろう。
【Eコマース業界地図 「運営業務管理編」特集】 モールの物流サービスへの対応が急務
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