【Eコマース業界地図 「ECモール&プラットフォーム編」】 〈インタビュー〉イーベイ・ジャパン合同会社 マーケティング本部 グ・ジャヒョン本部長/手応えあったTVCMを今春も放送

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 「Qoo10」を運営するイーベイ・ジャパン合同会社(本社東京都、ヘンリー・チュン代表)は18年11月、テレビCMなどの大型プロモーションを実施した。反響は大きく、新規顧客の獲得につながったという。今春、テレビCMを再度放送する計画もある。18年の振り返りと19年の重点施策について、マーケティング本部のグ・ジャヒョン本部長に聞いた。


■初日のアクセス3倍
 ─テレビCMなどの大型プロモーションの成果は。
 非常に良かった。キャンペーンは深夜0時スタートだったが、トラフィックが3倍以上になり、サーバーがダウンしてしまった。初日から想定以上の反響だった。テレビCM前と比べて会員登録は約1.5倍、新規購入者数は約2倍になった。テレビCMの放送開始から1カ月以上たってもその反響は落ちなかった。
 認知拡大がプロモーションの狙いだった。テレビCM前は15%ほどの認知度だったが、今回の施策で30%まで高まったら大成功。20%は超えてほしいところだ。将来的には50%を目指している。
  ─プロモーションと連動した販促企画の反響は。
 一番人気はタイムセールだったが、新規顧客向けの「ウェルカム割」も手応えがあった。新規顧客の2~3割は「ウェルカム割」の対象商品を購入した。「0円商品」企画も反応が良かった。応募したユーザーの10%が新規顧客だった。「0円商品」に応募したユーザーの8割は、ほかの商品も買っている。ゲーム性のある企画も多い。抽選で選ばれたユーザーに毎月50万円のショッピング支援金を進呈する企画などは、なかなか他のモールでは見られない。イベントに参加しながら買い物を楽しんでいただけているようだ。
 ─「Qoo10」のスマホアプリを刷新したり、サイトのデザインを使いやすく改善している。ユーザーの反応は。
 ごちゃごちゃしているデザインを見直し、新規顧客でも使いやすく改善している。ファッションなどを扱っているサイトなので、新規ユーザーもきれいなデザインをイメージしてくる方が多いと思う。使いにくいサイトだと利用せずに離脱してしまう。
 ユーザーの購買体験が何よりも重要なので、ebayグループ入りしたときは、開発者が15人ほどだったが、半年間で50人ほどに増えている。19年は70人に増やして、開発を強化したい。


■サーチ機能を強化
 ─19年に注力するポイントは。
 19年は三つの重点施策を考えている。まず大型プロモーションを今年も実施する。前回のプロモーションは効果があった。やり続けるべきだと考えている。あんまりインターバルを置くとユーザーから忘れられてしまう。春先にテレビCMを放送する方向で準備を進めている。
 もう一つはさらにサイトやアプリを改善する。ユーザーエクスペリエンスを高めるために、より使いやすくしたい。具体的には、サーチを強化する。もともと、「Qoo10」はアジア全域をカバーしたモールとして開発されており、日本向けにローカライズされたプラットフォームではなかった。日本語のサーチは難しいが、改善したい。AIを駆使し、過去の購入履歴などを分析した上で、ユーザーに表示する順番を変えるような機能も取り入れたい。まずはタイムセールコーナーで試したい。
 eBayグループに入ったメリットを生かし、クロスボーダーの機能も強化したい。「Qoo10」が米国や欧州で販売しやすいような仕組みを作る。「eBay」を通して海外で販売していたセラーは、国内の「Qoo10」でも販売できるようにしたい。

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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