3000億円市場と言われるペットフード市場の4割超を占めるのがドッグフード市場。その市場で今、異変が起こっている。「プレミアムドッグフード」といわれる高単価ドッグフードを取り扱う企業が業績を急拡大させているのだ。02年以来、プレミアムドッグフードのECサイト「POCHI(ポチ)」を運営し右肩上がりの成長を続けてきたマーケティングパートナーは、20年12月期の売上高が、コロナ禍の影響もあり前期比50%増になったという。飲食店運営のトリゼンダイニングは18年にプレミアムドッグフード「UMAKA(うまか)」(1.5キログラム入り、通常価格税込5478円)をECサイトなどで発売したところ、同商品の売り上げが毎年倍増のペースで伸びているという。売り上げを伸ばしているドッグフードのキーワードは、「無添加」「国産」。「人間の食品レベル」の品質を備えたドッグフードが今後のトレンドになりそうだ。
■「プレミアム市場」はEC向き
ドッグフードの市場規模は年々縮小傾向にある。市場規模の調査などを行うインテージによると、13年に1406億円だった、ドッグフードの市場規模は20年に1157億円となり、20%近い縮小となった。そんな中一人気を吐いている感があるのが高単価のプレミアムドッグフードだ。
プレミアムドッグフードに明確な定義はないが、1キログラムあたりの価格が1000円を超えるものと考えている事業者が多いようだ。
ドッグフードのうち、およそ半分が該当するといわれている。1キログラムあたりの価格が3000円を超えると、「スーパープレミアム」と分類される場合も多い。
プレムアムドッグフードの中には、ペットショップチェーンやホームセンターでは取り扱っていない商品も多い。そうしたことが、ECでプレミアムドッグフードの売り上げが伸びる背景にもなっているようだ。
■「国産」「無添加」でサイト流入
プレミアムドッグフードを販売するECサイトへは、「国産」「無添加」といったキーワードで検索し流入するユーザーが多いという。従来のプレムアムドッグフードは、「犬に必要な栄養素」をどの程度含有しているかが注目されがちだったが、近年は「人が食べても大丈夫な食材」を使用していることが求められるようになってきているようだ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月27日号で)
〈急成長する高単価ドッグフード市場〉 「人間の食品レベル」が今後のトレンドに
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