EC事業者のアプリ活用が多様化している。EC事業者がECサイトからアプリへ売り場を移行する動きが出ているほか、OMO(店舗とECの融合)を展開する企業では、アプリを実店舗とECサイトのハブ的な役割として活用している。ECサイトや実店舗に続く、第三の購入先となってきたアプリ活用について各社の動きをまとめた。
化粧品のプラットフォーム「NOIN(ノイン)」を展開するノイン(本社東京都、渡部賢社長)は、アプリを積極的に活用している。商品が購入できるだけでなく、データ活用でも成果を上げている。アプリダウンロード(DL)数は、250万件を突破。アプリとSNSの二つを連動させオンラインで接客、コミュニティーを構築している。利用者一人一人の動向をデータ管理できるようにして、ファンを創出しているという。
これまで蓄積してきたデータをもとに立案した取り組みで、ファミリーマートではPB商品「sopo(ソポ)」の販売も始まった。ファミマでの販売個数は20年11月のスタートから約4カ月で30万本を超えたという。
■共同購入の新アプリ
カウシェ(本社東京都、門奈剣平社長)は、2人以上の共同購入が必要となる新しい購買形態をアプリ「カウシェ」で展開している。
アプリは20年9月に提供を開始。現在までのDL数や流通額については非開示だが、順調に拡大している様子。商品の掲載数は4000点を超えた。「コアなファンを創出しているだけでなく、ファンがファンを作る仕組みにより、利用者の質が高い」(門奈社長)としている。
「カウシェ」は24時間以内に、2人以上の決済を得て購入が成立する仕組みだ。広告展開は一切行わず、商品を購入する際、LINEやSNS上に購入の意思を発信する仕組みが、認知拡大の役目を果たす。
購入を促すユーザーのコミュニティーの数によっては、情報が一斉に拡散されるため、広告投資をする必要がない。最近はコロナ禍で苦しむ事業者を支援する取り組みが、出店者と利用者を増加させている。
■スマホから出品可能
食品ロスの削減を目的に訳あり品を取り扱うプラットフォーム「Let(レット)」をアプリで提供するレット(本社東京都、佐藤航陽社長)は、20年5月にサービスを公開した。現在、アプリのDL数は300万件、出店数は9300店となっている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月29日・5月6日合併号で)
〈EC事業者〉 アプリ活用が多様化/ECサイトから移行、店も連携
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