〈百貨店各社〉 対コロナでEC強化進む/食品と化粧品が売上をけん引

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アプリにEC機能を追加(三越伊勢丹HD)

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 百貨店によるEC事業の強化が目立っている。新型コロナウイルスの影響で来店客が減少、インバウンド売り上げも落ち込む中、EC売り上げの伸長に期待を寄せている。ECサイトでは現在、食料品と化粧品の人気が高まり、8月までの売り上げが前年の約40%増で推移した百貨店が多くあった。百貨店各社は店頭顧客をECサイトに呼び込むための施策を強めており、中元向け企画などで成果に上げている。EC売り上げの推移や施策をまとめた。

■近鉄百は75%増収

 百貨店各社のECサイトが、コロナ禍で大幅に売り上げを伸ばしている。
 近鉄百貨店が運営する「近鉄百貨店ネットショップ」は、上半期(20年3―8月)の売り上げが前年同期比75%増となった。4月8日から5月17日までは、食料品以外の店舗営業を自粛。この自粛中にECサイトの売り上げの伸びが目立った。4月度は前年同月比で220%増、5月度は同240%増だったという。
 京王百貨店(本社東京都、駒田一郎社長)は、自社ECサイトによる今年4―8月の売上高が前年同期間比で約38%増だった。
 東急百貨店は、「東急百貨店ネットショッピング」の今年4月から8月までの売り上げが前年同期間と比べて35%増となった。特に6月と7月は、中元向け企画がネット通販事業の売り上げを押し上げ、中元向け企画の売り上げは前年の45%増となった。
 商品別の動きを見ると、総菜・調味料・水産加工品などのカテゴリーの伸びが目立ち、新型コロナに伴う外出自粛の影響が反映された。
 三越伊勢丹ホールディングス(HD)も、「三越伊勢丹オンラインストア」の今期売上高が8月まで堅調に推移し、前年実績を上回っている。
 三越伊勢丹HDは、18年6月からデジタルを活用した新規事業に取り組む。新規事業の一環として、食品宅配の「ISETAN DOOR(イセタンドア)」、化粧品の「meeco(ミーコ)」など5つのECサイトを運営している。
 「三越伊勢丹オンラインストア」と、新規事業による5つのECサイトを合計した今期(20年3月期)の目標売上高は250億円。コロナ禍の「巣ごもり消費」によってECの利用が高まり、目標を上回る300億円規模の売り上げを目指すとしている。


■京王百は化粧品3倍増

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月24日号で)

化粧品ECは前年比4.3倍に(京王百貨店)

化粧品ECは前年比4.3倍に(京王百貨店)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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