新型コロナウイルスの感染拡大は、靴を取り扱うEC企業にとって大きな分岐点となりそうだ。業界大手のエービーシー・マートは実店舗が休業しているため、直近ではEC化率が増加。ファッションのゾゾでは、靴の計測ができる「ZOZOMAT(ゾゾマット)」の注文が伸びており、計測者数は、93万人を突破した。ロコンドは4月にユーチューバーと共同販促を行い、1週間で6億円を売り上げたという。靴のEC事業者であるリゲッタ(本社大阪府)、ザカモア(本社福井県)は、20年3月と4月の2カ月間の売上高が前年実績に比べて20%以上の減収となったが、在宅で使える商品を訴求し、活路を見出している。
■スポーツ系は販売好調
エービーシー・マートの20年2月期のEC売上高は、前期比10~15%増となり、全売り上げの約8%がECを占める見込みだ。直近の動きとして、「ECサイトで購入する人が増えている。スポーツ系のシューズはよく売れている」(同社)としている。その上で、「今後は実店舗運営の再開と同時に、ECサイトと融合させた施策を行っていく予定」(同)。
緊急事態宣言の解除が広がれば、今後は靴の需要が一気に高まると予測し、準備を行っているという。
ファッションECモールの「ゾゾタウン」を運営するゾゾは、20年3月以降の靴関連の売り上げについては非開示だが、20年2月末に発送を開始した、スマホで簡単に足の3Dサイズを計測できる「ゾゾマット」の注文が伸びているようだ。4月末時点で、配布数は119万枚を突破し、すでに93万人が計測を実施している。ゾゾでは、「計測の様子や結果がSNSでシェアされたりした。外出自粛の影響で、家族で計測を楽しみ、購入した人が家族や友人に薦めている、というような声もある」(同社)と話す。
■ルームシューズを提案
靴やサンダルのECサイト「Alto Libro(アルトリブロ)」を運営するリゲッタ(本社大阪府、高本泰朗社長)は、20年4月度のEC売上高が、前年同月比約25%減となったようだ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月21日号で)
〈靴のEC企業〉 EC化率増加も減収/コロナ終息見据えた新販路も
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