〈住設EC企業〉 社長のメディア露出進む/ユーチューブから成約事例も

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永ちゃんねるの配信を行う永野祥司社長

永ちゃんねるの配信を行う永野祥司社長

 住設EC企業の各社長たちがメディアに露出する機会を増やし、会社の信用や知名度を高める取り組みを始めている。永野設備工業は19年5月から社長が登場するユーチューブの動画配信を始めた。キンライサーは19年8月から、社長の顔写真や生い立ちなどを紹介する記事の掲載を増やしている。サンワカンパニーは今後、社長も登場するユーチューブを活用した動画の配信を行っていく。永野設備工業やキンライサーはすでにこうした取り組みが成約につながるきっかけとなり、販促にも貢献している。住設EC企業の社長のメディア露出は、今後も広がりを見せそうだ。

■売り込まない

 住設機器やリフォームを販売するECサイト「住設ドットコム」を運営する永野設備工業(本社大阪府、永野祥司社長)は19年5月から、社長自らが登場するユーチューブの公式チャネル「水道職人! ながちゃんねる」を配信している。
 開始して半年、同チャンネルの登録者数は470人となり、登録者の7割が一般消費者となっている。更新頻度は週2回程度。社長が全ての内容を考え、撮影から編集までも自ら行っているという。
 配信を開始した背景について、永野社長は「一緒に仕事をした住設事業者から、また次も仕事をお願いしたいとよく言われた。この経験は、個人向けにも通用するかもしれないと考えた」(永野社長)と話す。投稿する内容は、日常のことやプライベートを中心に、たまに仕事のことを紹介するというバランスになっている。社長の人となりを理解してもらえるような動画制作を目指している。最近では、投稿した動画に対するコメントに変化が出てきているという。「視察旅行の内容がよかったなど、住設に関係ない投稿にもコメントをもらうことが増えた。同時に住設に関する相談も出てきている」(永野社長)。
 ユーチューブに配信してからは、ECサイト「住設ドットコム」にも反響が寄せられている。「社長の動画を見ました」「社長の印象がよかった」とユーチューブを見た顧客から問い合わせがあり、成約につながるケースが出てきているという。「商品や会社を売り込む動画にはしていない。だから素直に顧客とのやりとりができる。その積み重ねが、ECにも影響が広がっているのではないか」(同)と話している。


■決定打は社長

 給湯器やエコキュートの販売、工事を受注するECサイト「キンライサー」の運営を行うキンライサー(本社神奈川県、森崇伸社長)は19年8月から、森社長がメディアに出る機会を増やしている。8~10月は3カ月連続で、全国紙や夕刊紙に社長の「生い立ち」や「苦労話」などをまとめた記事が載った。「記事を見たというユーザーが当社のサイトに問い合わせし、成約にもつながっている」(同社)と話している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月12日号で)

日刊紙で紹介された森崇伸社長

日刊紙で紹介された森崇伸社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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