アマゾンジャパンは10月9日、Amazonに出品される偽造品を自動で検知・削除するサービスを開始した。一部の登録出品者には、偽造品の疑いがある商品をAmazon上から削除する権限も持たせている。偽造品への対応がより迅速に行えるようになるという。一方で、一部の専門家からは、「Amazonが流通の全てを把握することになり、小売企業の淘汰につながる」と懸念する声も上がっている。
Amazonの偽造品撲滅プロジェクト「Project zero(プロジェクト ゼロ)」は、Amazonのデジタル技術と、偽造品検知の情報を組み合わせて開発された。欧米各国のAmazonではすでに導入されている。日本でもテスト導入が行われており、パナソニックや任天堂などの大手メーカーが利用していたという。
「プロジェクトゼロ」は、三つの機能を有している。(1)世界中のAmazonで販売されている50億品目以上の商品を自動で検知・削除する「自動プロジェクション」(2)あらかじめブランド登録した出品者が偽造品の疑いがある商品を削除できる「セルフサービスの偽造品削除ツール」(3)販売される商品一つ一つにシリアルコードを発行し、偽造品検知精度を高める「商品のシリアル化」(20年導入予定)─の三つだ。
(2)では、Amazonにあらかじめブランド登録した事業者ならば、Amazonに削除申請することなく、自らの判断で偽造品の疑いがある商品を削除できる。一方で、偽造品ではない競合商品を、ブランド登録者が削除してしまう可能性も否定できない。
Amazon出品者のコンサルを手掛けるアグザルファ(本社東京都)の比良益章社長は、
(続きは、「日本ネット経済新聞」10月17日号で)
アマゾンジャパン/偽造品を自動検知・削除/出品者の権限強化に賛否も
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