〈埼玉消費者被害をなくす会〉 「配送料無料」が有料に/アマゾンへの申入れ経緯を公開

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 適格消費者団体である、埼玉消費者被害をなくす会(なくす会、所在地埼玉県)は8月22日、アマゾンジャパンへの問い合わせと申し入れを行ったことを公開した。Amazonでは17年から、商品を購入したユーザーに、「関東への配送料無料」と表示していたが、実際はユーザーに配送料が請求されることがあったという。
 なくす会はアマゾンジャパンに対して、消費者への返金と、事象の発生に関する情報の通知を行う旨を申し入れた。アマゾンジャパンからは「返金に応じている」旨の回答はあったが、情報の通知に関する回答はなかったとしている。
 なくす会によると、Amazonで「関東への配送料無料」と表示されているにもかかわらず、決済時に配送料が加算されていたという事象は、少なくとも17年12月時点で発生していたという。18年5月になくす会がアマゾンジャパンに問い合わせたところ、18年7月に、「事象の発生はサイトシステム上のバグであり、18年8月中にシステムを改修する見込みである」とする回答があったという。
 なくす会が19年3月にアマゾンジャパンに対して、「消費者にバグの発生を通知し、申し出があれば返金すること」などを申し入れた。アマゾンジャパンは19年4月、「バグの発生によって17件のユーザーから問い合わせがあり、返金に応じている」と回答。「システム上のバグであり、発生状況を把握して特定することは技術的に不可能だ」とも回答したとしている。
 アマゾンジャパンは本紙の取材に対して、「本事象の原因であるシステム上の不具合の改修は18年8月には完了している。引き続きご申告いただいたお客さまに対し、個々に返金対応を行っていくことが、当社が取り得る最善の対応であると考えている」(広報本部)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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