消費者庁/”より強い表現”は「難しい」/トクホ要望書受け

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 (公財)日本健康・栄養食品協会(日健栄協)が消費者庁に対して トクホ制度の改善や有効活用などを求める要望書を4月5日に提出した件について、消費者庁はこのほど、本紙取材に対し、「(トクホで機能性表示食品並みの、より強い表現を実現するのは)難しいのでは」との見解を示した。一方で、全トクホ成分の情報開示などを目指していく方針を示した。
 要望書では、トクホについて(1)従来よりも強い表現(2)疾病リスク低減表示の拡大・拡充(3)評価書の公表─などを求めていた。
 要望書で「従来よりも強い健康強調表記と表現ができるように」と求められていることについて消費者庁は、「必ずしも要望に応えられないというわけではない」(食品表示企画課)としつつも、「トクホは機能性表示食品と違って、消費者委員会の審議を経て表記の認可を行う特性がある。機能性表示食品と同程度の表記が認められるようになるためには、表現に相当する、試験やエビデンスが求められるので、難しいのでは」との見解を示した。
 疾病リスク低減表示の拡大・拡充について要望書では、日本よりも多様な成分・疾病について、疾病リスク低減表示が可能になっている海外の制度について調査を行うよう要望していた。消費者庁はこれに対し、年内に予定している、海外制度の調査の中で、疾病リスク低減表示の各国の状況について、調査を進める方針を明らかにした。
 同要望書では、「消費者、専門家への適切な情報開示とその仕組みの強化」として、審査内容を評価書などとして公表するよう求めていた。この点について消費者庁は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所(所在地東京都)が運営するサイト「国立健康・栄養研究所」のウェブサイトで、現在トクホの表示を認可されている全1067品目の食品全てを対象に、商品情報の開示を推進していく意向を示した。
 これまでも、トクホの商品を取り扱う事業者に商品情報の開示を求めていたが、任意で要請に応えた200社のみが開示していた。
 同庁は事業者に対する開示要請を行っており、全件開示を目指す考えだ。
 現在も引き続き、開示要請を行っている。すべてのトクホについて開示が完了するのがいつになるかは未定。日健栄協からも開示の呼び掛けを行っているという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ