アマゾンジャパン/公取委調査受け撤回/出品者負担のポイント制度を

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 アマゾンジャパンは4月10日、5月23日から行うとしていた、出品者が最低1%のポイントを負担する制度の開始を撤回した。公正取引委員会は同11日、アマゾンジャパンの同ポイント制度が、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に当たる可能性についての調査を行っていたことを公表した。アマゾンジャパンは同調査を受けて制度の撤回を行ったとみられる。
 アマゾンジャパンが出品者に向けて配信した内容によると、同社は近日中にも、大半のアマゾン直販商品に対してポイントを付与する予定だとしている。出品者は現状と同じく、商品価格の最大50%分までのポイントを自由に付与できる。
 公取委は、「当該ポイント分の原資を出品者に負担させる旨の内容変更には、独禁法上の懸念があったため、所要の調査を行っていた」としている。「アマゾンジャパンが規約の変更を修正し、商品をポイントサービスの対象とするか否かについては、出品者の任意としたため、調査の継続をしないことにした」(総務局情報管理室)としている。
 アマゾン出品の運営代行やコンサルティングなどを手掛けるアグザルファ(本社東京都)の比良益章社長は、「アマゾンにとって今回のポイント制度の狙いは、利益確保というよりも、顧客満足度の向上や、アマゾンポイントの認知度向上にあった」と話している。撤回の理由については「独禁法で禁じられている『優越的地位の濫用』に配慮したのではないか。強制的なポイント負担で、出品者が商品の販売価格を値上げするなどした結果、顧客満足度の低下につながる可能性も考慮したのではないか」(同)とも話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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