消費者庁/消費者契約法改正へ議論再開/EC、フリマなどネット取引も対象に

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 消費者庁が、消費者契約法の改正に向けた議論を再開させた。2月13日に、大学教授らを委員に据えた「消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会」の第1回会合を開催。消費者庁が配布する資料には、定期購入やネットオークション(競売)などのCtoCといった通販・ECに関するトラブルの内容を盛り込み問題提起されている。研究会は非公開で進め、毎月1回のペースで計8回開催していく予定。消費者団体や事業者団体、事業者などからのヒアリングを経て今夏をめどに中間報告を公表する見込みだ。

■2年以内に法案提出へ

 消費者庁が議論を始めた消費者契約法は、内閣府消費者委員会による17年8月の答申や、18年改正法案可決時に付された衆・参議院の消費者問題に関する特別委員会の附帯決議において、検討を深めるべき論点が提言されている。さらに、近年、オンライン取引(ネット通販など)を中心に消費者取引の形態が多様化していることを踏まえた法改正の可能性の必要性を説いており、2年以内の法案提出を目指すとしている。

■購入トラブルを問題視か

 消費者庁が研究会で配布した資料には、インターネットや情報通信に関するトラブルが増加していることを明記。EC市場が12年度から5年間で約1.5倍に拡大していることに加え、健康食品や化粧品などといった消耗品の定期購入トラブル、個人間売買(CtoC)のトラブル増加を問題視しているように読める。
 資料では、ECで商品を購入したユーザーの行動履歴を元に特定の消費者に広告を配信する「ターゲティング広告」についても言及。資料には「消費者は通常の広告よりもSNSに表示される広告の文言を印象深く覚えていることもある」と指摘している。
 近年、相談件数が増加傾向にある定期購入については、国民生活センターの相談事例を挙げ「ダイエットサプリを300円でお試し購入できるというSNSを見て購入。お試し購入後、24日以内にキャンセルしないと定期購入したことになる」といったケースを紹介した。
 そのほか、フリマアプリやネットオークションなどのプラットフォームビジネス、AI(人工知能)やビッグデータの市場規模の増加傾向に伴うトラブルも提示している。いずれにしても、インターネットに関わる商取引全般について何らかの議論をすることが予想される。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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