〈ラストワンマイル協同組合〉 家具・家電・楽器など/大型商品の配送に引き合い

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ラストワンマイル協同組合の志村直純理事長

ラストワンマイル協同組合の志村直純理事長

 首都圏24社の配送会社で組織している配送ネットワーク、ラストワンマイル協同組合(事務局東京都、志村直純理事長)に対し、大型商品の配送依頼が相次いでいる。特に家具・家電・楽器を取り扱っている通販事業者からの引き合いが多く、中でも3辺の合計が250センチ・重量25キロまでのサイズを、1個3000円台で請け負う荷物が先行して動いている。ヤマト運輸や佐川急便といった大手宅配便事業者が取り扱っていない大物サイズへの需要が高く、大物商品の配送に苦慮している通販・EC事業者の新たな受け皿となりそうだ。

■〈3辺の合計250センチが先行〉
 ラストワンマイル協同組合の配送が実際に始まったのは18年10月末だ。同6月からのサービス開始予定が9月にずれ込む見通しだったが、直前にシステムトラブルが発生。ヤマトグループのヤマトシステム開発のシステムに乗り換えたことで、サービスの実施にこぎ着けた。
 当初、カスタマイズでシステムを構築していたが、ヤマトシステム開発の汎用タイプを利用したため、導入コストも当初より抑えられている。
 1月時点で取り扱っている物量は、通販事業者10社強の荷物で月間約1000個の規模。中でも「通販の家具が圧倒的に多い。次に通販の楽器、通販の家電と続き、要は段ボールにちょっと収まらないサイズで、大手宅配便事業者が嫌がるサイズの荷物が先行して流れている」(志村理事長)と言う。
 同組合の配送エリアは1都5県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木)。ただ、2月1日からは全国配送の依頼についても受け付けている。実際に配送を手掛けるのはコラボデリバリー(本社東京都、有冨慶二社長)で、同組合は荷主をコラボデリバリーに紹介する。
 昨年4月の組合設立以来、同7月時点で約70社から配送依頼の打診があった。現状実際の荷主はかなり少ないが、想定よりサービス開始が遅れたことと、取引を検討したが合わなかったこと、さらに「皆さん様子を見ているのではないか」(同)と捉えている。
 既存の荷主からは?大手の配送サービスと遜色ない?と評価されており、九州に本社がある家具の通販事業者はJRコンテナで首都圏に荷物を移動してから同組合に配送を委託している。
 そのような手段を取っても配送料金が安いとの判断からだ。楽器の通販事業者は地方にある倉庫を引き払い、首都圏に引っ越して同組合に配送を委託している。

■値上しないことを約束
 当初の料金表は最も大きいサイズで3辺の合計が200センチ・重量25キロ以内に設定していた。しかし、交渉段階でそれ以上のサイズに対する要望が多く、昨年10月に3辺の合計が250センチ・重量25キロを新設した(別表参照)。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月21日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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