〈アフィリエイト広告〉 アルゴリズム変更で大波乱/「アフィリエイト経由売上減少」の声多く

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 化粧品や健康食品をECで販売する多くの企業で、アフィリエイト広告経由の売り上げが減少している。本紙が取材した14社のうち、85%に当たる12社が、「17年と比較すると、アフィリエイト広告経由の売り上げが減少している」と話した。「アフィリエイト経由の受注件数が前年同月比で7割減少した」と話す企業もあった。減少の理由の一つは、グーグルが、「医療・健康・化粧品に関連する検索結果で信頼性の高いページを上位表示にする」という内容のアルゴリズム変更を行ったことにあるようだ。大幅な売り上げの減少に伴い、各社はアフィリエイト広告に代わる、認知拡大の手法の模索を始めている。

■60%のサイトに順位変動
 「売り上げが減少した」と話した12社のうち、売り上げが3割以上減少したと話した企業は10社に上った。
 ある化粧品EC企業では、「上場している、アフィリエイト広告の大手代理店を通じて広告を出稿しているが、17年8月と比較して、18年8月のアフィリエイト広告経由の新規受注件数は7割減少した」(社長)と話した。
 別の化粧品・健康食品メーカーでは「売り上げが減った理由は複数あると考えているが、アフィリエイト経由の売り上げは2〜3割減少している」(取締役)と話す。
 アフィリエイト広告経由の売り上げの減少について、「原因を明確に把握している」と話す企業はなかった。ただ、売り上げが減少したと話したすべての企業が、グーグルの検索アルゴリズムの変更を要因の一つとして挙げた。
 グーグルは17年12月、日本語検索におけるページの評価方法で、「医療や健康に関する検索結果について、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなるよう改善を行った」と発表した。
 グーグルが検索アルゴリズムの変更を行った背景には、16年末に社会問題となった、いわゆる「キュレーション問題」があったとみられる。ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営していた健康・医療情報メディア「WELQ(ウェルク)」が発端となり大問題に発展した。当時は、事実と異なった情報を掲載するページが横行していた。
 検索エンジン最適化(SEO)対策に詳しいクロスフィニティ(本社東京都、溝川文在社長)によると、「17年12月のアップデートでは、『医療・化粧品・健康』関連の検索にヒットする、記事やメディアサイトのうち、60%に順位変動が起こったとみられる」(池田剛WEBコンサルタント)としている。
 同社では、順位変動について、

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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