ユニクロ(本社山口県、柳井正社長)の18年8月期におけるEC売上高は、前期比29.4%増の630億円になった。国内売上高に占めるEC比率は同1.3ポイント増の7.3%に拡大した。今春からEC専用物流センターの自動化を実現し、配送リードタイムを短縮。サプライチェーンの最適化をグローバルで推進し、海外のEC売り上げも拡大する計画だ。
ユニクロは都内・有明にある物流センターにダイフクのマテリアルハンドリングシステムを導入し、ピッキングや配送仕分け以外の作業を自動化した。以前は早くて注文から8〜16時間で出荷していたが、現在では15分〜1時間で出荷できるようになった。
海外のEC事業も好調だ。中国ではEC売上高が2桁増となっており、米国も順調で売上高に占めるEC比率が20%を超えている。
ユニクロの柳井社長は、「サプライチェーン、コミュニケーション、組織の在り方、自らの働き方、他の企業や個人とのパートナーシップをすべてゼロから変える」と全社的に改革を進めていると解説した。
ユニクロは物流だけでなく、情報収集や商品の企画・製造、販売に至るまで、すべての工程で最適なパートナーを見つけ、改善を図っている。
「目指すべきサプライチェーンの方向性は、『無駄なものをつくらない』『無駄なものを運ばない』『無駄なものを売らない』だ」(神保拓也執行役員)と話す。
全商品にRFIDを付けて生産過程や在庫状況を可視化したり、グーグルのプラットフォームを活用して組織内の情報共有を円滑にしたりしている。
こうした取り組みは国内のEC事業の拡大にも寄与する見通し。19年8月期のEC売上高は30%以上の増収を見込んでいる。
ユニクロ 18年8月期/EC売上29.4%増/全売上の7.3%に拡大
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