〈行政〉 概算要求に新予算も/ジェトロ・農水・経産が越境EC支援

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

レッドマートの担当者を招いて行われた商談会

 行政や関係機関が、越境ECを利用して、食品メーカーの海外展開を支援する取り組みを加速させている。(独)日本貿易振興機構(ジェトロ、所在地東京都)はこのほど、シンガポールの直販型ECモール「Redmart(レッドマート)」に日本の食品を販売する特設ページ「ジャパンモール」を11月末に設置し、日本のメーカーの食品の販売を行っていくと発表した。日本の食品が、現地の消費者やバイヤーの目に触れる機会を提供することにより、食品の輸出拡大を図るのが目的だ。農林水産省と経済産業省は、食品の輸出促進に関する合同チームを組み、越境ECに関する情報提供や、越境EC事業者の紹介を強力に行うことで、食品メーカーの海外進出を支援する取り組みをスタートさせようとしている。農水省は、食品の越境ECを支援する事業の関連費用として2億円を、19年度予算の概算要求に盛り込んだ。食品メーカーにとって、ECを使って世界に打って出る好機が訪れているといえそうだ。


■確実に売れる商品を選定
 ジェトロの「ジャパンモール」事業では、レッドマートが、11月末から19年3月末までの4カ月間、「ジャパンモール」の特設サイトを開設し、日本の食品をメインに販売を行う。商品は日本国内のメーカーからレッドマートが買い取って販売する。
 取り扱う食品を選定するため、7月末までに、計2回の公募を行った。応募があった企業の中から、ジェトロの担当者と、レッドマートの担当者が、商談会や試食などをしつつ、販売する商品を決めたのだという。レッドマートの担当者は、現地の富裕層である華僑にニーズがありそうな味の商品を選定したとしている。40社200品目の商品を選定済みだという。
 ジェトロでは、「レッドマートは余剰在庫を持つことに非常に厳しいサイトで、確実に売れる商品の選定をした」(サービス産業部商務・情報産業課栗原環課長代理)と話している。11月末から、徐々にジャパンモールの認知度を高めていき、19年2〜3月にかけて、多くの商品を打ち出す予定だという。
 すでに出品が決まった、国内メーカーの商品の中には、大手食品メーカーの有名ブランド商品だけでなく、地方の中小食品メーカーの菓子や麺類といった加工食品もある。
 現地への商品の輸送については、メーカーが日本の商社に商品を送り、商社がシンガポールに輸送する。メーカーとしては、注文ごとに、個別に商品を送付する必要がなく、一般的な越境ECで発生する手間はかからないという。
 ジェトロによると、「レッドマートは、現地のジェトロの日本人の駐在員も当たり前のように利用している、知名度・信頼度の高いサイトだ。食品に強く、独自の配送ルートも持っている。レッドマートを通じて現地の人に知ってもらえば、次の商売につながりやすいのではないか」(同)と話している。レッドマートの会員登録数は17年3月末時点で約20万人だった。


■海外・国内のサイト紹介
 農水省と経産省は7月、農林水産物・食品輸出促進合同チームを立ち上げた。農水省や経産省、ジェトロはこれまでも、食品の輸出を行う商社と国内の食品メーカーをマッチングさせる取り組みを、個々に行ってきた。今回の合同チームでは、両省とジェトロ、中小企業基盤整備機構(中小機構)が連携し、マッチングの取り組みを一体化させる。効率的に、より多くの事業者を支援するのが目的だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月04日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ