スクロールグループ 〈EC物流、全国網羅へ〉/20年にも主要4拠点を整備

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 スクロールグループが、EC物流の全国対応に向けて動き始めた。2020年4月、茨城・つくばみらい市で稼働予定のEC・通販専用物流センター(SLCみらい=仮称)の竣工に合わせて、国内の主要4拠点を整備。各物流拠点の増床ほか、拠点間のシステムを連携して一元管理を図る。今秋から本格的に開始するコンビニエンスストアでの荷物受け取りサービスは、同業他社の3PL事業者にも開放。新たな配送手段として育成する。EC事業者のコスト削減やリードタイム短縮のほか、事業継続計画(BPO)からも需要があると判断した。

■準備センター開設
 グループの物流会社イーシー・ユニオンが担当している大阪の物流センター(SLC関西)はまず、現在約8300平方メートルの延床面積を、来年1月までに約1万6500平方メートルに増床する。
 食品通販の冷凍・冷蔵拠点として利用している北海道・千歳市の物流センターは安定的な稼働を推進。つくばみらい市のエリアでは、SLCみらいの完成前に物流業務を受託する準備センターを稼働させる。
 準備センターは茨城・常総市内の物件を賃貸する予定で、延床面積は6000~1万平方メートルを計画している。あらかじめ準備センターを開設することで、人員の確保とともに業務フローを確立。SLCみらいが竣工・稼働した際の円滑な立ち上げにつなげる。
 SLCみらいは、延床面積が約3万平方メートルの規模で地上5階建て。土地・建物・マテハン機器を含めた投資額は約60億円で、全額自己資金で賄う予定だ。
 同センター完成を機に、既存の中部エリア(SLC浜松西、SLC浜松、SLC磐田)、関西エリア(SLC関西)とシステム連携を図り、EC物流の全国ネットワークを構築する計画だ。
 つくばみらいを候補地としたのは、昨年2月に茨城県内の圏央道が開通し、アクセスが向上したことと、つくばエクスプレス沿いは若い夫婦の居住が多く、人員確保が見込めるため。東京からも遠くなく、倉庫費用の坪単価は浜松エリアと同等で、高い料金設定にならないためだ。

■コンビニ受取も
 SLCみらいは、EC事業者の特徴に合わせた最新のマテハン機器を導入する。化粧品や健康食品を取り扱う単品通販系は、単純な梱包作業が増えるため、梱包作業の自動化や自動包装機を導入する。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ