経済産業省は7月5日、家電リサイクル法に違反したとして家電販売会社3社に勧告を出した。そのうち2社はネット通販専業だった。ネット通販専業に対する勧告は初めて。経産省はEC事業者による家電リサイクル法の義務履行状況を引き続き監視するとしている。
ヒロムラ産業(本社東京都、村口敏男社長)、電商ネット(本社東京都、中山博文社長)、協和空調(本社東京都、宮守透社長)に対し勧告を行った。
経産省が立ち入り検査をしたところ、エアコンの購入者から引き取った廃エアコンを、スクラップ業者といった製造業者以外の業者に引き渡していたことが分かった。
家電リサイクル法は小売業者に対し、買い換えの際、または過去に販売したエアコン、テレビなど家電4品目を引き取る義務に加え、引き取り商品の指定場所における引き渡しも義務付けている。今回の勧告は引き渡し義務に違反したことによるもの。
経産省は3社に対し、家電リサイクル法の義務履行と、廃家電の引き取り・引き渡し状況の月次報告(来年6月まで)、四半期ごとの再発防止策の実施状況の報告を求めた。
事業者が勧告に従わない場合は、経済産業大臣・環境大臣による措置命令を受ける。それにも従わない場合は刑事告発を行う。刑事処分では、法人及び代表に対して50万円以下の罰金を科することができる。環境リサイクル室の鈴木浩文課長補佐は「ネット通販事業者に絞って監視をするわけではないが、引き続き監視をすべき対象ではある」と今後の方針を述べている。
経済産業省/EC企業2社に初勧告/家電リサイクル法に違反
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