消費者庁/打ち消し表示への監視強化/「条件あるならば強調表示に盛り込むべき」

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認識できる大きさの打ち消し表示も措置命令を受けた

認識できる大きさの打ち消し表示も措置命令を受けた

 消費者庁は、5月16日に発表した「スマートフォンの打消し表示に関する実態報告書」の中で、打ち消し表示に対する監視を強化する方針を改めて示した。同報告書では、調査の結果、「打ち消し表示の文字の大きさや色、薄さ」「コンバージョンボタンの配置箇所」「アコーディオンパネルの打ち消し表示」などが不適切だと、消費者が打ち消し表示を認識できないことなどを指摘している。消費者庁では、昨年7月に発表した、「打消し表示に関する実態報告書」でも、「『個人の感想です』などとする体験談の打ち消し表示は影響がない」との見解を示しており、打ち消し表示への規制強化はもはや行政の既定路線といえそうだ。同年7月から18年5月までの措置命令34件の中にも、打ち消し表示について言及しているものが、15件あった。消費者庁は「取引や商品に条件があるならば、強調表示に盛り込むべき」と話し、打ち消し表示に頼らない表示を作成することを薦めている。

■二つの表示を新たに指摘

 打ち消し表示の文字の大きさや色などを問題視する指摘は、昨年7月の報告書の中ですでになされていた。今回発表された報告書では、(1)「コンバージョンボタン(注文ボタン)の配置箇所」(2)「アコーディオンパネル(クリックしないと表示されない表示)の打ち消し表示」─二つが、打消し表示について注意すべきポイントとして新たに盛り込まれた。
 (1)について消費者庁は、「強調表示とコンバージョンボタンが同一パネルに表示されているのに、打ち消し表示だけが別の画面に表示されているといったケースでは、消費者が取引条件を把握できないままコンバージョンに至るケースが非常に多かった」(大元慎二表示対策課長)としている。コンバージョンボタンと同じ画面に打消し表示をしなければ、消費者が認識できないとしている。
 (2)について、調査の結果、「アコーディオンパネルにどのような内容が表示されているのか分かりにくいことがある」(同)としている。取引条件などに関する重要な情報がある場合は、アコーディオンパネルの外に表示しなければ、消費者が認識できない可能性が高いという考えを示している。
 景表法に詳しい、丸の内ソレイユ法律事務所の成眞海(せい・しんかい)弁護士は、「打ち消し表示を強調表示の前後の文脈に含めるなどの工夫が必要だ」と話している。


■”体験談”は調査結果を明瞭に

 17年7月に公表した「打消し表示に関する実態調査報告書」では、”体験談”に関する打ち消し表示について言及している。同報告書では、「体験談を含めた表示全体から消費者が『大体の人に効果がある』という認識を抱くことに留意すべき」としており、「『個人の体験談です。効果には個人差があります』」などといった打ち消し表示が与える消費者への影響はほとんどない」と打消し表示の効果を否定している。
 実際に、

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月31日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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