【物流の知恵】BERTRAND 弁当箱専門店「Bento&co」/煩雑な海外発送業務をシステム化で解決

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ベルトラン・トマCEO

ベルトラン・トマCEO

 約100カ国に日本製の弁当箱をネット販売しているBERTRAND(ベルトラン、本社京都府、ベルトラン・トマCEO)は注文件数が増えるのに従い、送り状やインボイス発行の手間に悩まされていた。繁忙期には発行業務に5時間以上かかることもあった。こうした手間を省くシステムを自社開発したことで、業務を大幅に効率化できたという。16年からは他社にもシステムを提供している。
 フランス出身のトマCEOは05年からブログで日本の文化を発信し始めた。日本の多彩な弁当箱を紹介すると、1日800人以上が見に来る人気ブログになった。読者から「弁当箱が欲しい」と言われることも増え、弁当箱のECサイト「Bento&co(ベントー・アンド・コー)」を開設した。
 「クリスマスシーズンには1日100件以上の注文が来るようになった。顧客情報を運送会社のシステムにコピー&ペーストして送り状を発行するのに1日5時間以上かかることもあった」(トマCEO)と振り返る。
 発行業務を効率化するシステムを探したものの、海外にはあるが、日本にはなかった。エンジニアに相談し、自社で開発することになった。
 「これまでコピー&ペーストで1件2~5分かかっていた業務がワンクリックで、約20秒で完了できるようになった。他にも困っているショップは多いと思い、外部提供も開始した」(同)と話す。

 こうしてできたのがEC向け出荷管理システム「Ship&co(シップ・アンド・コー)」だ。海外発送に対応している日本郵便やフェデックス、DHL、UPS、佐川急便、ヤマト運輸(現在は「C2」のみ、近いうちに「B2」にも対応)といった運送会社とAPI連携し、送り状やインボイスを手軽に発行できる。
 一つの画面で複数の運送会社の送り状を発行できる。荷物の大きさや重さ、送り先によって配送料金を比較・選択できる点も好評だ。
 同社も導入しているECサイト構築サービス「Sopify(ショピファイ)」には、「Ship&co」をアプリとして提供しており、簡単に導入できる。他にもBASEやPrestaShop、Magento、Stripe、WooCommerceなどに対応している。
 マーケットプレイスでは、イーベイやアマゾン、楽天市場などのマーケットプレイスに対応。近いうちにヤフーショッピングにも対応する予定だ。一元管理システムではネクストエンジンに対応している。
 「毎日のように新しいショップが『Ship&co』を導入している。将来的には設定に基づいて、人工知能(AI)が送り状を自動発行できるサービスにしたい」(同)と意気込む。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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