アマゾンジャパン/競合商品の締め出しか/LINEのAIスピーカーを販売停止

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Amazonで販売停止となった「クローバウェイブ」(写真提供=LINE)

Amazonで販売停止となった「クローバウェイブ」(写真提供=LINE)

 アマゾンジャパンは11月8日、Amazon上で販売されていた、LINE(ライン、本社東京都)のAIスピーカーの商品ページを削除した。アマゾンジャパンは同日、自社開発のAIスピーカーの販売開始を発表しており、「自社製品の普及を促進するための措置ではないか」と話す業界関係者もいる。
 アマゾンジャパンが削除したのは、LINEが販売するAIスピーカー「Clova WAVE(クローバウェイブ)」の商品ページ。同商品は、声で情報検索をしたり、LINEでメッセージを送信したりできる音声認識端末だ。10月5日から11月7日までは、同社がAmazon内に商品ページが存在し、LINEがマーケットプレイスに出品していた。
 11月8日の午前0時ちょうどに「クローバウェイブ」の商品ページが削除された。ラインに対して、アマゾン側から事前の通告などはなかったという。LINEの担当者がアマゾンジャパンに問い合わせたところ、担当者から「Amazonのマーケットプレイスの出品規約に基づき、同サイトでの販売は認められないと、当社の裁量で判断した」と回答があったという。
 アマゾンジャパンからは「どのような理由で販売が認められないのか」について「回答はなかった」とLINEの広報は話している。
 アマゾンジャパンではこの件について、「商品の品ぞろえはさまざまな状況を考慮して判断している。LINEのAIスピーカーはAmazonのマーケットプレイスに出品・販売されていたが、現在購入できないことは事実。詳細についてはコメントを控える」(アマゾンジャパン・広報本部)としている。
 一部で「ネット通販市場で力を持つAmazonが競合製品を締め出したことが独占禁止法違反の可能性もある」などと報道された件について、公正取引委員会に「一般的にECモール側の商品ページの一方的な削除は独占禁止法に抵触するのか」と聞いたところ、「前提として『契約自由の原則』があり、価格指定などの問題でなければ独占禁止法に抵触することはないと考えられる。当事者間でのトラブルがあっても、民事での話になるのではないか」(公正取引委員会広報部)と回答した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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