農水省/未承認の種の流通を確認/タキイ種苗に回収を指導

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 農水省は5月10日、花や野菜の種のECサイトを運営するタキイ種苗(本社京都府、瀧井博一社長)が販売していたペチュニアの種が、未承認の遺伝子組み換え体であったことを確認し、同社に該当の商品を回収するよう指導した。当該商品が未承認の遺伝子組み換え体であることは、タキイ種苗から報告があって判明したという。
 回収の対象となるのは、同社が販売していた「F1オレンジクイーン」など3品目のペチュニアの種。フィンランドの食品安全局が4月27日に、「オレンジ色のペチュニア9品種が遺伝子組み換え体である」と発表したのを機に、オレンジ色のペチュニア「F1オレンジクイーン」について同社が確認したところ、遺伝子組み換えの事実が発覚したという。
 同社では、「組み換え技術を用いた品種開発は行っていないため、育成に用いた海外の市販品種が組み換え遺伝子であった可能性が高い」(広報)としている。
 遺伝子組み換え体の流通や使用の制限については、2004年2月に施行された「遺伝子組み換え生物等の仕様等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」によって、規制されている。
 農水省は、「日本では、ペチュニアと交雑可能な野生植物の存在は知られていない。当該のペチュニアの種が他の野生植物に影響を与える可能性は低い」(農水安全管理課)としている。ただ、同省は、タキイ種苗から当該品種を購入した消費者に対して、廃棄や回収に応じるように促している。フィンランド食品安全局が発表した内、当該ペチュニア以外の8種が日本国内で流通しているかどうかについては、「調査中」(農水安全管理課)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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