家具やDIY用品などのインテリアEC事業者によるAR(拡張現実)活用が進んでいる。家具販売店向けに3Dシミュレーターを提供するリビングスタイル(本社東京都、井上俊宏社長)のARアプリ「RoomCo(ルムコ)」は、大塚家具や良品計画など14社に導入されている。アプリは累計5万件がダウンロード(DL)されており、今年に入ってからはDL数が毎月5000件と伸びている。中小のインテリアEC事業者がARを活用する事例が相次いでいる。リビングスタイルの井上社長は、「『大型商品の試着』という新たな買い方が広がりつつある」と見ている。
■購入後の満足度向上
EC事業者がARを活用することで、既存のインテリアECサイトでは伝えることが難しかった「自分の部屋に設置したときのイメージ」を訴求できるようになる。
EC事業者が一方的に画像などでレイアウトイメージを紹介しても、購入者が自分の部屋に設置した後、「サイズが思ったより大きい」「部屋の雰囲気と合わない」などのミスマッチが起こる可能性がある。
ARでユーザーの部屋に設置したイメージを確認してもらうことで、単価が高い大型商品の購入を促進でき、購入後の満足度も向上できるという。
■毎月5000DL
リビングスタイルのアプリ「ルムコ」を利用すると、スマホのカメラ映像を通して実際の部屋に商品のコンピューターグラフィックス(CG)を表示できる。CGは立体画像なので、設置時の向きを動かして好きな部分を見ることも可能だ。
「ルムコ」はプラットフォーム型のサービスで、14社の16ブランドが導入している。大塚家具や良品計画、バルスといった家具の大手販売企業が参加しており、約30万品目のアイテムをARで確認できる。3月にはヤマハのグランドピアノも加わり、取り扱いジャンルが拡大している。
ユーザーは「ルムコ」で各ブランドの家具を自分の部屋に設置したイメージを確認、気に入ったらスムーズにECサイトで購入できる。複数のアイテムをARでレイアウトし、部屋を丸ごとコーディネートすることも可能。ブランドは「ルムコ」に対応することで、手軽にARを導入できるようになる。
「ルムコ」のDL数は累計約5万件。今年1~3月のDL数は毎月5000件を超えている。新生活シーズンに合わせてサービスをPRしたことで、アプリの利用が進んでいる。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月20日号で)
インテリアEC事業者/大型商品の"試着"提案/ARで設置イメージを確認
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