アスクル/埼玉物流倉庫 資産121億円/保険金最大で46億円

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
報道陣を前に謝罪の言葉を述べ、サービスの早期復興を宣言した岩田社長(写真右端)

報道陣を前に謝罪の言葉を述べ、サービスの早期復興を宣言した岩田社長(写真右端)

 アスクルは2月28日、火災現場である埼玉県内の物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」の資産や保険金額について情報を開示した。資産額121億4300万円から保険金受取額(最大46億1100万円)を差し引いた数字が最終的な損失額となる見込みだ。
 資産の内訳は、有形固定資産(リース資産除く)が95億6600万円、ソフトウェアが6000万円、たな卸資産が25億1700万円。火災保険の支払限度額は25億円で、運送保険は21億1100万円となる。
 ただ、「有形固定資産がどこまで残っているかにより火災保険の金額が左右される」(財務・広報室本部)ため、最終的な損失額は物流センターの完全な鎮火後に判明する予定だ。
 2月度月次業績(1月21日~2月20日)も開示し、単体売り上げは前年同月比7.2%増、BtoB事業は同4.0%増、「LOHACO(ロハコ)」は同31.8%増となった。BtoB事業に大きな影響は見られないものの、「ロハコ」は前月度から成長率が10.3ポイント低下。「火災による遅配や欠品が影響した」(同)としている。
 16日の火災発生後、同センターから発送する地域からの受注を一時中断していたが、同日18時に受注を再開。他の物流センター6拠点が配送を代替している。
 法人向けサービス「アスクル」では埼玉、山梨、長野、群馬、栃木の5県で1日の遅配が生じていたが、28日の時点で「さいたま市以外は通常通りの配送体制が整い、遅配は解消された」(同)としている。
 一方、「ロハコ」では、東日本エリアで現在も最大2日の遅配が生じている。東日本エリアにおける「ロハコ」の注文に対しては、横浜の物流センターから出荷できる商品約3万5000種類の注文を受け付けている。
 従来、「ロハコ」の商材を取り扱っていた物流センターは埼玉と大阪の2拠点。現在、横浜の物流センターに「ロハコ」の商品を集約することで対応しているが、埼玉の物流センターだけが取り扱うコメ、酒類など約3万種類は出荷できない状況が続いている。
 22日の記者会見で岩田彰一郎社長は、「2月中のサービス正常化を目指す」と話したが、「ロハコ」のサービス復旧には時間が掛かりそうだ。
 業績への影響、損失額、保険金受取額などは判明次第発表するとしている。
 埼玉県は28日夜、火災が完全に鎮火したと発表した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ