中国越境EC戦線に変化/売上下方修正相次ぐ/税制改正、円高、送料増などで

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 11月11日の「独身の日」で盛り上がりを見せた中国EC市場だが、越境ECを取り巻く環境に変化が生じている。4月の税制改正に端を発し、昨夏ごろから始まった円高元安が加速。6月には日本郵便の国際スピード郵便(EMS)の料金値上げもあった。「税制変更」「円高元安」「EMS値上げ」のトリプルショックで、中国越境ECの売り上げ計画を大幅に下方修正する企業が相次いでいる。中国EC市場で大きなシェアを握るECモール内で、価格競争が過熱しすぎていることも事態を悪化させているようだ。中国EC市場は拡大を続けており、国内の通販事業者にとってチャンスを広げる有望市場であることは間違いない。中国越境ECに取り組む通販事業者の今後の対策を追った。

■楽天の1年分を1日で
 中国のEC事業者のセールが集中する11月11日の「独身の日」には、アリババグループ(アリババ)が前年同日比32%増となる1207億元(約1兆8700億円)の取引額を記録した。アリババが昨年記録した、世界最高の1日のEC売上高を更新した。
 ジンドングループや蘇寧電器、国美電器など中国のEC大手企業の取引額も加えると、11月11日に中国では1700億元(約2兆7000万円)のECによる取引が行われたことになる。この取引額は楽天の1年間の流通総額に匹敵する規模だ。
 中国のEC(BtoC)市場は13年に米国を抜き、15年の市場規模は約75兆円。日本の5倍以上の市場規模に膨らんでおり、国内のEC事業者にとっても成長戦略上、目が離せない市場となっている。
 日本からの越境EC市場についても、アリババが13年9月(本格始動は14年春)に越境ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」を開設したことを皮切りに拡大し続けてきた。
 中国政府も自国民が海外で買い物をした際は税金を課すことができないが、越境ECであれば管理下に置くことができるため、越境ECを推進する制度作りを進めてきた。保税特区を設け、越境ECで販売した商品を中国内の倉庫から出荷できる仕組みはその典型だ。
 ただ、中国政府は越境ECの拡大を受け、16年4月に税制改正を実施した。ここから越境EC事業者の風向きが変わってきた。

(続きは「日本流通産業新聞」11月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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