中国EC最大手のアリババグループ(アリババ)は、11月11日に同グループが運営するECサイトで実施した「独身の日セール」における取引額が前年同日比32%増の1207億元(約1兆8700億円)だったと発表した。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、同セールの女性アパレル部門で売り上げ1位になった。中国外企業が出店している越境ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」の国別ランキングでは、日本が初めて1位になった。
中国では「独身の日」と呼ばれる11月11日にECサイトのセールが集中し、1年で最も売り上げが高まる。アリババは同セール企画の生みの親であり、特に大きな取引額を記録している。
アリババのBtoCモール「天猫(Tモール)」に出店しているファーストリテイリングはセール開始数分で売り上げが1億元(約15億円)を突破。その後も売り上げを伸ばし、女性アパレル部門でトップの売り上げを記録した。
ファーストリテイリングは同日、中国内の実店舗でもセール企画を実施。オンラインとオフラインでイベントを展開することにより、売り上げ拡大につなげた。
■ユニ・チャームが越境1位
越境ECモール「天猫国際」では、ユニ・チャームが日本企業でトップの売り上げを上げた。「ムーニー紙おむつL54枚入り」を60万個以上販売したという。日本企業2位はミキハウスグループの店舗だった。
アスクルの日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」も、「天猫国際」での売り上げを前年同日比約13倍に伸ばした。セール開始30分で前年の売り上げを突破。スキンケア商品の売れ行きが良かったという。
■配送費上昇、円高の影響も
アリババグループ以外の中国向けECサイトでも流通額が伸びたという。ベガコーポレーションが運営する越境ECモール「DOKODEMO(ドコデモ)」の11月11日の流通額は、通常時の10倍に拡大した。
「独身の日」にポイントを11倍にしたり、中国のSNSに広告を出稿したりしたことで顧客が増えたという。
一方、思うように売り上げを伸ばせない企業もあった。「天猫国際」に出店しているトーキョーオタクモードの同セールの売り上げは微増だった。配送費値上げや円高の影響で、商品価格を昨年よりも約1.2倍高くしたことが要因だとみている。
価格施策により利益は昨年比で約2.5倍増となった。
アリババグループ「独身の日」/1日の取引額1.9兆円/ユニクロは女性アパレルで1位
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