アパレルEC大手/会員ID統合相次ぐ/店舗とネットの相互利用促す

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ビームスは5月にECサイトを刷新した

ビームスは5月にECサイトを刷新した

 アパレルEC大手がリアル店舗とECサイトの会員IDの統合を進めている。ビームス(本社東京都、設楽洋社長)は5月、ECサイトのリニューアルとともにリアルとネットの会員IDを統合。ユナイテッドアローズも8月、リアルとネットの会員IDを統合する。アパレル各社はオムニチャネル(オムニ)の基盤が整ったことにより、リアルとネットの相互利用を促すための施策に本腰を入れる。リアル店舗でスタッフがECサイトの利用を促しやすくするために、人材評価制度を見直す企業も現れている。

《ビームスはサイト刷新》
 セレクトショップ大手のビームスは5月21日、ECサイトをリニューアルした。システム自体を刷新し、オムニに対応できる体制を整えた。
 リニューアル施策の第1弾として、リアル店舗の会員サービスとECサイトの会員サービスのIDを統合。リアル店舗の会員サービス「ビームスクラブ」の専用サイト「WeBEAMS(ウィービームス)」をECサイトと統合し、会員基盤を統一化した。
 これまでも「ウィービームス」の会員IDとECサイトの会員IDを連携することにより、リアル店舗とECサイトのポイントを統合できたが、今後は手続きの手間が不要となる。
 ユナイテッドアローズも8月、リアル店舗とECサイトの会員サービスを統合する。
 これまでリアルとネットのポイントサービスは別々に運用していた。会員ID共通化後はポイントサービスも統合するため、利用者はリアルとネットの双方でポイントをためたり、利用したりできるようになる。

《LINEで会員連携》
 米国発のカジュアルファッションブランド「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」を国内で展開しているイーグルリテイリング(本社東京都、青山理社長)は4月、会員向け新サービスを開始した。
 新サービス「AFO FRIENDSコネクト」は、LINEユーザー限定のお得なサービスを提供する会員向けプログラム。LINEが提供する法人向けソリューション「LINEビジネスコネクト」を活用することにより実現した。同ソリューションを活用した本格的な会員プログラムはファッション業界初の試みだという。
 「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」のLINE公式アカウントの友達となったユーザーがリアル店舗で商品を購入する際、公式アカウント上にあるバーコードの提示で、「AFO FRIENDSポイント」を進呈している。
 ユーザーがLINEアカウントとECサイトの会員情報をひも付けることにより、ECサイトでの商品購入に対してもポイントを進呈する。
 新サービスの開始によって、リアルとネットにおける顧客購買データを把握するのが狙いだ。蓄積したユーザーの購買データを生かして、LINEを通した販促施策の精度を高めていく。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月23日号で)

アメリカンイーグルはLINEで購買データを収集

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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