バレンタイン商戦が開幕した。多くの菓子EC企業が今年のバレンタイン商戦で厳しい戦いを強いられている。背景にはチョコレートの原材料であるカカオ豆の価格高騰がある。節約志向が進み、消費者の財布のひもは固い。カカオ豆の仕入れ値が上がった分を全て販売価格に転嫁するのも難しい。そのような市況感の中で、EC事業者は”高級路線”で訴求したり、カカオ豆の含有量を調整したりして、売り上げを確保しようと奮闘している。有力な菓子EC企業のバレンタイン商戦についてまとめた。
23年冬ごろから、カカオ豆の高騰が続いている。高騰の要因は主要原産地で発生した天候不順による不作が影響している。
世界のカカオ豆生産の4割を占めると言われているコートジボワールでは23年上半期から、断続的に大雨や洪水が発生し、農園の一部が浸水する被害が出た。そのため、カカオ豆の収穫量が減り、価格の高騰につながっている。
このことを受け、菓子EC企業はどのように対応しているのか。取材で最も多かった回答は「内容量を調整」「チョコレートを使用していない別商品の販売」だった。
あさひ製菓(本社山口県、坪野恒幸社長)は25年1月、累計60万個を販売した人気商品「魅惑のザッハトルテ」を刷新した。チョコレートの配合の割り合いを調整し、甘さ控えめでもカカオを感じる濃厚な味わいになるように努めた。
「魅惑のザッハトルテ」の原料であるチョコレートは廃盤が決定し、あさひ製菓では主力商品の存続の危機に陥ったという。
この危機の中、あさひ製菓の商品開発部は、「人気のチョコレートケーキをなくしてはいけない」という使命感に駆られ、これからも継続して提供可能な原料でのリニューアル開発に取り組んだ。
「原料のチョコレートが廃盤になる連絡を受けたときは焦ったが、”もっとおいしいザッハトルテを!もっとたくさんの人に!”と思い直し、リニューアルのチャンスだと思った」(商品開発担当者)と話す。
「楽天市場」でチョコレート菓子の販売を行う有力店舗のA社も、
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月30日号で)
【バレンタイン商戦が開幕】カカオの高騰が影響/含有量調整、新商品開発が目立つ(2025年1月30日号)
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