ECサイトの定番コンテンツである”顧客によるレビュー投稿(レビュー)”の価値が高まっている。購入の後押しだけではなく、集客促進やリピーター育成など、活用の幅が広がっている。これまではECモールや大手EC事業者によるレビューの活用事例が多かったが、レビューツールの進化などにより、中小規模の事業者や自社ECサイトにおける取り組みも加速している。レビューツールの進化やEC事業者のレビュー活用についてまとめた。
■自社EC外でも活用
レビューを自社ECサイトだけにとどめず、コンテンツとして活用することで集客を促す動きが出ている。レビューツール「ReviCo(レビコ)」を提供するReviCo(本社東京都、高橋直樹代表)は24年10月、ポータルサイト「ReviCoポータル」を開設した。「ReviCo」を導入したECサイトのレビューを集約し、ランキング形式などで掲載する。ユーザーはレビュー評価の高い商品を「ReviCoポータル」で見つけ、気になったらECサイトに遷移し、購入できる。
「レビューは購入の最終決定に関わるものだが、『レビューの高い商品から見る』という導線もある」(高橋代表)と説明した。
ReviCoはAIハッシュタグソリューションを提供するawoo(アウー、本社東京都、林思吾CEO)やサイト内検索エンジンを提供するユニバーサルナレッジ(本社東京都、井上俊一代表)と業務提携したことで、今後も機能を拡充していくという。
「レコメンドエンジンやサイト内検索など、ECサイトにはすでにいろいろなツールが入っている。そうしたツールとレビュー機能を連携することで、ツールの効果を最大化し、売り上げにつなげられる」(同)と話した。
機能連携により、レビューをメルマガのコンテンツとして活用し、ECサイトの再来訪を促すような施策も増えているという。
■コミュニティー機能も
新規顧客獲得のハードルが上がっていることから、ロイヤルティー向上の施策に取り組むEC事業者が多い。レビューを会員制度やコミュニティー形成に活用する動きも増えている。
UGCプラットフォーム「U―KOMI(ユーコミ)」を提供するサブスパイア(本社京都府、チャーチル・ライリー代表)の岡村芳広取締役は「レビューはファンを可視化することができるツールだ。SNSやファンサイトだけでなく、ECサイトそのものがファンの交流の場となるのではないか」と話した。
例えば化粧品のコーセーやアパレルのビームスは、購入金額だけでなくレビュー投稿を含む”行動”も会員制度のランクに反映し、ロイヤルティー向上につなげているようだ。
今後、レビューの仕組みをコミュニティー機能として活用する取り組みは、さらに増えそうだ。
■AIでレビューを強化
一部の大手ECモールでは、
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月23日号で)
【進化するレビュー】集客やCRMにも活用/「ポータルサイト」や「AI要約」も登場(2025年1月23日号)
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