オイシックス/食材セットのECが活発化/「時短」「置き換え家事」をキーワードに

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オイシックスが開発した男性向け料理教室「夫・パパの料理体験」

オイシックスが開発した男性向け料理教室「夫・パパの料理体験」

 子育て層や働く女性をターゲットにした、食品EC各社のカット済み食材セット「献立キット」の販売競争が活発だ。オイシックスが販売する献立キットは16年1月時点で累計200万食を突破。らでぃっしゅぼーやでも、30代以上の子育て層や働く女性を取り込み、献立キットの受注が全体の3割にまで拡大している。大手食品宅配会社のヨシケイ開発も5月30日に、夕食食材セットを大幅にリニューアルする予定で、都内や主要都市では既存の自社配送網に加え、ECにも乗り出す。効率よく家事をこなすために「時短」「置き換え家事」がキーワードになっており、子育て層や働く女性に対する市場の開拓の競争が激しさを増している。

オイシックスは200万食を突破
 オイシックスが13年7月に発売した献立キット「きっとおいしっくす」の定期購入会員数は、15年4―12月期(第3四半期)に2万7000人に達し、累計200万食(16年1月末現在)となった。ターゲットは、既存会員に加え、働く女性と子育て層だ。
 従来の食品は、毎週定期的に届く有機野菜などで調理に時間がかかった。このため、(1)届いた野菜が使い切れない(2)料理が苦手(3)料理の時間がないーという理由で退会する会員が目立っていたという。現在は、10種類の商品を販売し「飽きさせないようにすることが継続利用につながる」(オイシックス・広報)と話す。
 ウェブでの販促は、フェイスブックが主体。ターゲットに対してセグメントした情報を正確に届けられるという面で効率が良いという。
 異業種との共同企画も手掛ける。掃除機の「ルンバ」の日本代理店や、宅配クリーニングの「リネット」を運営するホワイトプラス(本社東京都)と組み、「置き換え家事体験モニターキャンペーン」を3月に実施した。家事に関する同じ悩みを持つユーザーを抱える企業と組んで顧客獲得を進めている。

「きっとおいしっくす」の累計出荷数の推移

「きっとおいしっくす」の累計出荷数の推移

ヨシケイ開発が投入予定の働く女性をターゲットにした「ラビュ」

ヨシケイ開発が投入予定の働く女性をターゲットにした「ラビュ」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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