レコードEC市場がさらなる成長を見せている。タワーレコード(本社東京都)では、23年3―8月期(中間期)の、レコードのEC売り上げが前年同期比で50%以上増加した。レコード専門フロアがある、同社の渋谷の実店舗のレコードの売り上げは、前年同期比で約2倍になったという。「HMV&BOOKS online」を展開するローソンエンタテインメント(本社東京都)も、23年3―8月期(中間期)は、レコードの売り上げが前年同期比約40%増になったとしている。11月3日に開催された「レコードの日」の売り上げも、各社好調に推移しているようだ。レコードというと、一昔前の洋楽や邦楽が中心と思われがちだが、最近では、アニメ主題歌や、ゲームのサウンドトラックの新譜のレコードも数多く発売されるようになっている。ジャンルの拡大に伴って、さらに市場は拡大していきそうだ。
■生産量も順調に増加
(一社)日本レコード協会の発表によると、22年の国内のレコード生産量は、前年比12%増の213万3000枚だった。特に邦盤の生産量は、ここ10年で10倍以上に増えている。
タワーレコードでは中間期のレコードの売り上げが全体で前年同期比60%増となった。ECだけで見ても同約50%の増収だったという。今期は実店舗の売り上げが大きく回復しており、レコード専門フロアを構える「タワーヴァイナルシブヤ」では、前年同期の2倍近い売り上げを記録したという。
同社のリテール事業本部オンラインMD企画・運営部の藤川祐介部長は、「ECでは、若年層の顧客が増えている。特に伸びているのは、20代男性と30代女性だ」と話す。「人気の邦楽アーティストが新譜をレコードで出すケースは増えている。それだけでなく、人気アニメの主題歌がレコードで発売されるケースも多くなっている」(同)とも話す。
ローソンエンタテインメントでは、中間期における、レコードの売り上げが、前年同期比40%増になったという。
同社では今年のレコードの日(11月3日)に合わせ、7インチレコードを発売したという。「90年代に発売された8センチシングルの名曲をレコードで発売した。THE虎舞竜の『ロード』や、岡本真夜の『TOMORROW』など、誰もが知っている名曲が中心だ。その中でも、中山美穂&WANDSの『世界中の誰よりきっと』が一番売れている」(record shop営業部部長竹野智博氏)と話す。
■アニメ・ゲーム人気も
新譜の邦盤のジャンルは、ポップス・歌謡曲が中心だが、最近はゲームのサウンドトラックやアニメの主題歌も増えてきているという。
スクウェア・エニックスでは現在、
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月30日号で)
【レコードEC市場】 大手で大幅増収続く/アニメ・ゲームジャンルにも波及(2023年11月30日号)
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