楽天新春カンファレンス/三木谷浩史社長 講演要旨/店舗の質高めて流通5兆円へ

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カンファレンスで登壇した三木谷浩史社長

カンファレンスで登壇した三木谷浩史社長

楽天は1月26日、出店者向けのビジネスイベント「楽天新春カンファレンス」を都内で開催した。東京を皮切りに、2月までに全国6カ所で開催していく。講演の中で、三木谷浩史社長は「楽天市場」のさらなる発展のためには、店舗それぞれがクオリティーを高めていくことが重要だと強調した。その上で、流通総額を現在の2兆円から5兆円に拡大させる考えも示した。講演要旨を紹介する。

恒常的なポイントアップ施策
 今年、楽天は20周年を迎える。「楽天市場」には多種多様な店舗が集まっている中で、クオリティーの向上と維持を推進してきた。
 ユーザーが買い物の後に低いレビュー評価を付けた場合は、2分以内に楽天からユーザーに電話をしている。ユーザーは迅速さに驚きつつも、素直に不満点や苦情を教えてくれる。
 顧客満足度の向上は、どんな広告やプロモーションよりも長期的な売り上げ(LTV)の向上が図れると思う。
 また、高評価の声も重要だが、マイナスの声のパワーは大きい。4万店舗の集合体である「楽天市場」がクオリティーを高めていくためには、各店舗の意識を高くしていかなければならない。
 楽天は07年から「あんしんショッピングサービス」を提供している。ここでは、1000ブランド以上と提携し、万が一に偽物の商品が届いた場合は全ユーザーを対象に補償している。このほか、低いレビューを付けたユーザーにはポイントを提供している。
 店舗にとっても悪いレビューが付けられた場合の改善方法を検討するいい機会になり、真摯な対応をすることでブランドイメージの向上にもつながると考える。
 「楽天市場」はこれまで短期的なキャンペーンをたくさん実施してきた。しかし、ユーザーから分かりにくいという声があった。そこで、アプリや楽天カードの利用などで常時ポイントが最大7倍になる「SPU(スーパーポイントアップ)施策」を開始した。
 楽天グループの全てのサービスとシナジーを使って、1億人以上の楽天会員を「楽天市場」に流入させていく。
 「楽天市場」は約8割の店舗が100商品以上を登録している。競合他社が1~2割というので、真剣に売ろうとしている店舗が集まっていることの表れだと思う。店舗数の拡大を追うのではなく、安心・安全・早い・便利を重視し、そこに楽しさを付け加えていきたい。
 20年間で培ったものをベースに、再び「楽天市場」は生まれ変わり、流通総額を現在の2兆円規模から5兆円規模まで成長させていく。

(続きは日本ネット経済新聞 1月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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