消費者庁は6月30日、サプリメントのECを展開するさくらフォレストに対して、景表法に基づく措置命令を行った。消費者庁は、さくらフォレストが販売していた機能性表示食品「きなり」2製品について(1)「血圧をグーンと下げる」など、機能性表示の範囲を逸脱した広告表示(2)「DHA・EPA」など三つの機能性関与成分についての合理的根拠資料の不足─を認定した。景品表示法に詳しい東京神谷町綜合法律事務所の成 眞海弁護士は、さくらフォレストへの措置命令を踏まえて、「機能性表示食品の届け出と販売を行う事業者は今後、『消費者庁が機能性表示食品に対して措置命令を行う可能性がある』というリスクを踏まえ、より中立的な目線で届け出資料を確認するフローを用意する必要があるのではないか」と話す。成弁護士に、さくらフォレスト措置命令のポイントと、機能性表示食品の販売事業者がとるべき対策について聞いた。
■事業者は都合よく捉えがち
─さくらフォレストへの措置命令のポイントはどこだったか。
まず、「きなり」に配合された機能性関与成分である「DHA・EPA」については、SRの評価を誤った点が、違反を認定された最大の理由だと考えている。この点は消費者庁も明確に言及していた。
つまり、「きなり 極」の500ミリグラムという配合量は、「DHA・EPA」の30報以上ある論文の中から、都合のよいものだけをチョイスした結果である、と言われても仕方ない部分があった。
事業者は、とかくそのような「自分たちに都合の良い考え」をしがちだ。中立的に見れば、不合理だと思える選択を、容易にする傾向がある。
機能性の表示の範囲を逸脱した「はみだし表示」も認定された。この点については、「機能性として認められた範囲がどこまでか」というのを、事業者側が正確かつ客観的に把握できていないということが、よくある。
その結果、訴求する効果がそもそも機能性の範囲に収まっていなかったり、今回のように機能性の訴求が誇大になったりしてしまう。
この点は、機能性表示食品に限った話ではなく、多様な商材で起こり得る事象だ。
■商品名やパッケージも注意
─機能性表示食品の届け出と販売を行う事業者は、どのようなことを注意すればよいか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」8月10日号で)
【行政執行からヨミトク!】東京神谷町綜合法律事務所 成眞海弁護士/中立的目線で届出チェックを(2023年8月10日号)
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