【CBD市場】法改正でCBD流通増加へ/秋の臨時国会で成立が有力(2023年2月9日号)

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C&Hが展開するCBD含有のVAPEブランド「RICHILL」

C&Hが展開するCBD含有のVAPEブランド「RICHILL」

 大麻由来成分「カンナビジオール(CBD)」について、法改正の動きが進んでいる。法改正を機に、CBDの市場が急拡大するという期待感が業界では高まっている。厚生労働省は現在、CBD製品の規制を緩和する内容を盛り込んだ大麻取締法の改正案を、国会へ提出する準備を進めている。規制が緩和されれば、海外からの、CBD製品・原料の輸入が活発化しそうだ。流通量の増加は、原料・製品価格の大幅な下落にもつながると期待されている。CBDの原料供給などを展開するワンインチ(本社東京都)では、「法改正による規制緩和で、CBD関連の製品・原料の流通量が、将来的に2~3倍に増加する可能性がある」とみている。業界関係者によると、改正法案は、秋の臨時国会に提出される可能性が高いという。

■THC残留値を設定

 CBDは、大麻に含まれる成分の一種だ。大麻には、CBDだけでなく、幻覚作用のある「THC(テトラヒドロカンナビノール)」も含有されている。
 CBDには幻覚作用はなく、ストレス緩和作用や抗炎症効果などが期待されている。
 現行の大麻取締法では、麻の葉や花穂(かすい)などの部位を使った製品を規制している。ただ、実態としては、THCに着目して取り締まりが行われている。
 現在流通しているCBD製品は、大麻の茎や種子から抽出したものとなっている。CBD製品のOEMなどを手掛けるCOL(シーオーエル、本社東京都)によると、種子からは、CBDがほとんど抽出できないため、原料価格が非常に高いのだという。
 厚労省は、22年6月、「大麻等の薬物対策の在り方検討会」の報告書をまとめた。報告書には、現行の部位規制から、有害なTHCを規制する「成分規制」へと変更する案が盛り込まれた。大麻の医療用途への活用を見据えた内容だという。
 22年9月には、厚労省の「大麻規制の在り方に関する検討会」で、CBD製品の規制を緩和する案を盛り込んだ報告書がまとめられた。「成分規制」への変更に伴い、CBD製品のTHCの残留値をあらかじめ設定する案が盛り込まれた。
 CBD製品に微量のTHCが含まれていても、決められた残留値の範囲内であれば、流通が可能になる見通しだ。報告書の内容通り法改正が行われれば、大麻の葉から抽出したCBDでも、輸入や販売が可能になるとみられる。
 報告書の内容を踏まえた大麻取締法の改正案は、23年の国会に提出される方向で準備が進められている。厚労省は、「できるだけ早く法案の提出ができるよう進めている」と話している。
 複数の業界関係者から、「改正案が提出されるのは秋だと思われる」という声が聞こえてくる。(一社)麻産業創造開発機構(HIDO、事務局三重県)は22年12月開催のセミナーで、「法改正は23年春と予定されていたが、現在の状況から、23年の秋にずれ込むだろう。施行は24年の秋ではないか」との見通しを示した。秋の臨時国会での法案提出を予想する識者の中には、「防衛関連など他法案の渋滞が予想されるため、通常国会での法案提出が見送られるのではないか」との見方もあった。


■コロナ禍で需要伸びる

 現在でも、CBD製品のニーズは安定的にあるようだ。
 CBD含有のVAPE(電子タバコ)のブランド「RICHILL(リッチル)」を展開するC&H(本社東京都)では、19年6月のブランド展開開始以来、累計6万人のユーザーが、「リッチル」の製品を購入したという。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月9日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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