化粧品の受託製造などを手掛けるホシケミカルズ(本社東京都、星野拓社長、(電)03―3254―4491)は2016年から、高付加価値化粧品を開発するための部署横断型専門組織を社内に設置しており、年に数品のペースで ”ホシケミカルズが自信をもってお薦めする”レディーメードのODM(※参照)商品の開発を行っている。高付加価値化粧品の迅速な製品化が可能になるため、実際の商品開発につながるケースも少なからず出てきているという。
同社が設置している社内組織は「HOP(ホップ、ホシケミカルズ・ODM・プロジェクト)」。商品企画担当、営業担当、研究担当、品質管理担当の計約10人で構成している。常識を覆すような、意外性・新規性のある、ニッチなレディーメード商品を開発し、顧客企業にODM商品として提案することを目的としている。年に数品のペースで商品を実際に開発しており、現在までの開発件数は11品に達している。
商品開発に当たっては、商品企画担当が市場の声をリサーチし、営業担当が顧客企業の空気感を伝え、研究担当が開発し、品質管理担当が、品質管理上の問題点を指摘するのだという。
HOPの既開発商品には例えば、「2ステップのプレミアムヘアケアの処方」がある。
入念なヘアケアを行おうとした場合、通常、シャンプー、コンディショナー、インバストリートメント、アウトバストリートメントの4品目が必要になる。新処方では、「アミノ酸リッチシャンプー」と「ボタニカルヘアオイル」の2品で、同等のケアが可能になるという。
シャンプーには植物由来のアミノ酸系成分を高濃度配合。濃密ジェルタイプで、きめ細かな泡を生み出す。ノンシリコーンとは思えないしっとり感を実現している。
一方、ボタニカルヘアオイルは、オイルなのにべたつかず軽いのが特徴。シリコーンオイルと同等のなめらかな指通りを天然由来100%で実現している。
レディーメード品の企画・試作が出来上がれば、営業担当が実際に顧客企業に提案する。処方をそのまま採用すれば、スピーディーな製品化が可能。提案内容を発想の原点とし、一から商品開発を行うことももちろん可能だ。
同社においては、総合力を生かした受託製造事業の展開が、高付加価値化粧品の開発を可能にしている。
同社は1975年に原料商社として創業した経緯がある。そのため化粧品原料の調達力には自信を持っている。「同種の原料の中でも、価格・特徴・グレードなどが異なる、複数の選択肢を、顧客企業に提示することができる。高付加価値原料を選定・提案できる」(同社)と話す。
容器についても、容器メーカー各社の商品を引いてくることができる。それだけでなく、インドネシアには、容器製造を行う合弁会社まで設けている。「容器についても、高付加価値製品に最適な提案を行うことが可能」(同)としている。
製品開発力にも自信を持っている。「テクスチャーのプロ」「香りのプロ」「色のプロ」といった、各分野の専門研究者を育成しており、?五感に訴える?商品開発を行うことが可能だという。
例えば、「香りのプロ」は、大手香料メーカー出身。650種以上の香料を巧みに使い分けて、希望の香りを提案することができる。「『この化粧品と同じ香りを作って』といったオーダーにも対応できるが、もっと抽象的な、例えば『ラグジャリーでエキゾチックな香りを作って』といったオーダーにも応えらえる」(同)と言う。
製品の製造はISO22716(化粧品GMP)の認証を取得した工場で行うことも可能。付加価値の高い化粧品を、高品質なものづくりが可能な製造工場で製品化できる。
※ODMとは…「オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング」の略。商品の製造にとどまらず、開発や設計も含めたトータルサポートを行うことをさす。
【高付加価値化粧品開発】 ホシケミカルズ/レディーメードODM商品を開発/部署横断型専門組織を社内に設置し
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