2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- 2022/01/13
- 日本ネット経済新聞
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事業者に聞く!【2022年 事業戦略】
バルクオム
男性向け化粧品のECと卸売りを手掛けるバルクオムが、堅調な売上成長を続けている。22年の通販・EC業界については、法規制や広告費用の高騰などを踏まえて、「通販・EC専業の企業は厳しい状況になるのではないか」と分析する。野口卓也CEOに、21年の取り組みの振り返りや22年の予想を聞いた。
─21年を振り返って、手応えは。
21年は次なる高成長を見据えて準備した年となった。一例を挙げると、21年2月に米国のアマゾンに出品。米国では利用者やリピーターが少しずつ積み上がっており、さらなるシェア拡大に向けた兆しが見えてきた。インフルエンサーとのタイアップにも一定の手応えを感じている。21年9月期は増収増益となった。今期(22年9月期)も同様に、さらなる成長を目指す。
─20年から進出しているフランスと英国市場は。
日本以上に、コロナ禍の影響によるロックダウンがひんぱんだったこともあり、数字(売り上げ)は立ち上がっていない。情勢を見ながら、小売りの販売強化に努めていく。
─男性向け美容EC市場の展望は。
例年通り、さらなる市場成長に期待している。将来的にコロナ禍が収束すれば、外出の機会が増えて、メークアップラインの引き合い増加にもつながるかもしれない。当社が21年8月から販売しているメークアップラインについて、当社が提供する無料肌診断システム「COLOR FINDER(カラーファインダー)」を利用した人のうち約20%が商品を購入している。診断後に離脱してしまう人が想像よりも少なく、CVRが高い印象で手応えを得ている。コロナ禍の状況次第だが、男性向け美容の中でも、22年のメークの市場は21年よりも増える可能性はあるとみている。
─通販・EC業界全体に向けての期待感はあるか。
22年はかなり厳しい年になるのではないかと思っている。これまでのコロナ禍では、外出自粛の影響で、自家需要に消費が向かっていた。22年は、消費がまた分散されていくのではないか。また、21年は、薬機法など法改正の動きが大きかった。さらに、法律関係だけにとどまらず、各媒体単位でのレギュレーションも強化の動きが目立っている。ウェブの広告費も高騰している。
客観的な目線でいうと、通販・EC専業の企業は厳しい状況になると思う。各社とも独自の取り組みで、どのように工夫して乗り切るかという勝負の一年になると思う。
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