【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第255回 〈調味料・果物製品専門ECサイト「ラピュタファーム」〉/ランチバイキングで好評の味を提供

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杉本利雄氏

杉本利雄氏

 福岡県の中央部に位置する田川郡川崎町で観光果樹園を運営するラピュタファーム。併設のレストランでは地元の野菜中心の料理を提供しており、そこで使われている調味料などを商品化し、ネットショップで販売している。雑誌のお取り寄せ企画に掲載され、人気に火が付いた商品とその後の広がり、ネットショップの現状や課題などについて、杉本利雄社長に聞いた。

◆こだわり・人気商品

 ラピュタファームでは、地域の魅力を伝えることを目的にランチバイキングをはじめ、レストランの味を家庭でも楽しめるようにと無添加の調味料などを開発している。
 「ランチバイキングに取り組み、今年で21年目になります。地元産の旬の素材を使い毎月メニューを変え、約60品の手作り料理を提供しており、ドレッシングやソースなどレストランで提供して評価が高かったものを商品化しています。野菜料理がメインなことから、『どうしたらもっと野菜をおいしく食べていただけるのだろう』と思い続けてきました。その成果の一つとして、『味噌漬け豆腐のオリーブオイル漬け』という商品が誕生しました」
 地元の豆腐屋、みそ屋が作るこだわりの豆腐とみそを使ったこの商品は、雑誌の紹介をきっかけに人気商品となった。
 「10年ほど前に商品化し、実店舗で少量生産販売していました。4年前にネットショップを立ち上げて商品を掲載したところ、マガジンハウスのライターさんの目に留まり、『ブルータス』のお取り寄せ企画で高く評価していただき、看板商品になりました」


◆広がり・客層

 雑誌掲載後、それまで年間数本だけの販売数だった商品が1000倍以上売れるようになった。しかし、期待していた成果が出ない部分もあったという。
 「レストランは福岡市、北九州市から車で約1時間の場所にあるため、ネットショップで人気商品ができたことによって実店舗のお客さまも増えると期待していました。しかし、実際のネットショップのお客さまは、関東を中心に九州外が9割、約1割が九州と山口。遠方から来るのはなかなか難しいでしょう。実店舗来店後にネットで注文される方もいますが数は少なく、リピーターも少ないので、そこは今後の課題です」


◆売れ行き・今後

 自社ショップの売り上げは横ばいだが、口コミ評価の高さもあり、卸を含めた販売数は増加しているという。
 「先日、当社のジャムとロッテ『パイの実』限定セットとコラボをさせていただきました。ほかにも話題性のある商品はありますが、ネットの取り組みが不十分でチャンスを活かせていないのが実情です。しかしベースはあくまでも、果樹園を含めたレストランと当社商品を販売している実店舗との相乗効果、そして地域の情報発信による地元の活性化が目的です。ここを踏まえて、単なる販売のための手段にとどまらず活用できるよう、改良していきたいと考えています」


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社ラピュタファーム
【開設時期】2015年10月
【スタッフ数】1人
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】aishipR
【配送委託先】ヤマト運輸、日本郵便
 ※ネットショップ向けの卸については応相談

手間をかけて手作りされる「味噌漬け豆腐のオリーブオイル漬け」

コラボ企画で開発した「いちごミルクジャム」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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